サロン・飲食店等の小さなお店のホームページ・ブログ・SNS集客法『売り込まないネット集客の極意』

【今回のテーマ】
売り込まないネット集客
【今回の一冊】
◆タイトル:『売り込まないネット集客の極意』
◆著者:マーケティングコンサルタント 穂口大悟
◆出版社:BABジャパン
◆ページ数:244
◆2015.6.12
【こんな方にオススメ】(5段階)
● ホームページを作ったが集客できないサロン経営者 ☆☆☆☆☆
● ホームページ・ブログで自店のウリを伝えたい店舗業経営者 ☆☆☆☆
● ソーシャルメディアと賢く付き合いたい店舗業経営者 ☆☆☆☆
【レビュー】
●価格競争にならないためのメニューページ
来店されたお客様から、メニューについてご質問されたとします。メニュー名と金額だけを伝えるでしょうか?
そうではないですね。お客様の目を見て、このメニューにはどんな効果があって、どんな特徴があって、どんな流れで進んでなど、詳しく丁寧に説明すると思います。
それを、ホームページでも行うだけです。
実際のお客様に説明するのと同じ丁寧さで、ホームページでもメニューについて説明するだけです。
そうすると、必然的に、1ページをゆったり使って1つのメニューを説明することになります。
金額だけのメニューページは、価格競争への参加表明です。
本書は、大阪でマーケティングコンサルタントで、ホームページ作成会社の社長でもある筆者による小さなサロンのためのホームページ・ブログ・SNSを活用した売り込まない集客術が記載されています。
過去に一度、穂口さんのワークセミナーを受けたことがあるのですが、ワークシートも大変わかりやすく、自社のウリ・特徴をまず明らかにした上で、商品・サービスも魅力的にし、その上でホームページのコンテンツを考えるという流れに私も大いに共感しています。
今回の書籍は、穂口さんのノウハウが実際のホームページ例も交えて、惜しげもなく紹介されていると感じました。
単なるホームページ・ブログ・SNS活用の本ではなくその手前のコンサルティングによるコンセプトづくりまで網羅されている点が大きな特徴です。
小さなサロンだけでなく、飲食店でも、雑貨店でも、士業でも通用するノウハウが凝縮されていると思います。
本ブログで紹介してきた「低コストWEB活用」の中でも現時点で最もオススメできる本です。
難しいIT用語はほとんど使われておらず、ネットに詳しくない初心者でも大丈夫です。
これからWEB集客に力を入れたい事業者はぜひお読みすることをおすすめいたします。
特に今回印象に残った点、我が意を得たりと感じた点をご紹介します。
(1)良くあるご質問ページは、お客様への思いやりページ
「良くあるご質問ページは」、お客様の不安を解消するためにあります。
お客様からほんとうによくある御質問は3分野です。
1.お金に関する質問
・お金はいつ払うの?
・分割払いはできますか?
・クレジットカードは使えますか?
・キャンセルはいつまで無料ですか?
2.場所や時間に関するご質問
・遅くなっても施術は受けられますか?
・営業時間外も対応してくれますか?
・駐車場はありますか?
・子供連れでも大丈夫ですか?
・お友達と二人で施術を受けられますか?
3.準備やお客様の状態に関するご質問
・着替えはありますか?
・こちらで準備していくものはありますか?
・男性ですが施術してもらえますか?
お客様の不安を解消する意味もありますが、サロンとしてお断りしなければならない条件を明記し、その理由を丁寧にお伝えすることで、サロンを守るという意味もあります。
いつも、ホームページの改善で、この「よくあるご質問」を作るように助言させていただいています。
注文・来店・予約する上で不安点を解消することは極めて重要です。
また、丁寧にホームページで説明されていることで、質問・回答の手間も省けます。
求める顧客像が明確に伝えられれば、ターゲットの顧客にだけ響くようになります。
(2)お客様の声は武器!必ず掲載しよう
「ホームページに載っているお客様の声って良いことしか書いてない。」
「お客様の声はなんかヤラセっぽくて嫌」
と思うこともおられるようです。
気持ちはわかるのですが、お客様の声を掲載しないのはすごくもったいない。なぜかというと、お客様の声ページってサロンホームページの中でもTOP5に入るくらい閲覧数が多いページだからです。
客観的な証拠と、自分と同じ立場の方の主観的な感想のバランスが大切です。その主観的な感想の役割を果たすのがお客様の声ページなのです。
お客様の声をいかに集めるかから一緒に仕組みづくりをお手伝いすることもよくあります。
真剣に検討している人は客観的な情報も得ようとされます。
楽天でアマゾンで購入するとき、おそらくレビューがある商品を優先的に見て検討されるのではないでしょうか。
客観的な裏付けはネットの時代にはますます必須になっているように思われます。
(3)SNS疲れを起こさないための4つのポイント
1.SNSはパーティ会場だと心得る
・仲間内の集まりではなく、いろいろな知人が集まるパーティ-会場・パーティー会場と同じレベルで発言をしていればよい
2.現実に会った人とだけSNS友達になる
・居心地の良いパーティーとは、参加者に知り合いが多く、くつろげる雰囲気のパーティー
・知らない友達が多いと、気を遣う場所に
3.気分がのらない時は見るだけの人になる
・投稿すべきことが思いつかないときは投稿しなくてもよい
・お友達の投稿を眺めて、「いいね!」したりコメントしたりするだけで十分にSNSに参加して交流できている
4.振り返らない!今だけを見る
・余裕がない時は、お友達の過去の投稿を振り返らなくて良い。
大変的を得た表現だと感銘を受けました。
いつもお伝えするのは最初だけ張り切って尻切れトンボにならないようにということです。
続けるためには無理がなく、楽しくないといけません。
やる気がでない時は見ないくらいでいいと思います。
●理想のお客様像「ペルソナ」さんをつくろう
「私のサロンのターゲットは、20代後半~50代前半くらいかな?」
集客に失敗しているサロンに多いのは、幅広い人々に
対してアピールしようとしてウリがぼやけてしまっている
ことが原因であることが多い。おすすめなのが、一度ターゲットを一人に絞ってみること。
これから集客のためにサロンのウリを伝える「ど真ん中」を明確にしましょう。
たった一人の理想的なお客様を想定して、そのお客様に響くようにメッセージを発信していけば、サロンのウリが明確になり、結果として「ど真ん中」以外のお客様を集めることもできるようになるのです。
・性別
・年齢
・住所
・家の形態
・職業
・家族構成
・何を見ている・聞いている?
・どこに行けば会える?
・名前をつけよう
・イラストを描いてみよう
ペルソナ分析は本当に有効です。
先日もあるお店で、価格は高価格帯なのに、サービスは大衆店並でした。
果たしてこのお店はどのような顧客に焦点を合わしているのだろうと思いました。
理想の顧客像がブレている、範囲が広すぎる、そもそも考えられていないお店は全体としてちぐはぐな印象を受けます。
本書は、SNSをパーティー会場として説明するなど、喩え話も秀逸です。これ以外にも、
・トップページはホームページの店構え
・メニュー説明の順番間違い
・プロフィール写真と余計な情報の重要性
・お役立ちコラムが新規のお客様に響く
・ブログ・ホームページ・SNS・メルマガの使い分け
・無料ブログの落とし穴
・経営理念を考える3つのステップ
・ビジョンを描くコツ
・オリジナルメニューはまるでお子様ランチ
・リアルの人付き合いを活かした集客術
・既存客フォローと見込み客フォロー
など、必読の内容が満載です。随所に散りばめられたコラムや4コマ漫画も読み応えがあります。
集客でお悩みの店舗業経営者にぜひ読んでいただきたい一冊です。
【目次】
はじめに
第1章 残念ホームページを『サロンの分身』に変える13のヒント
第2章 「売り込まない」ためのブログとSNS活用8のヒント
第3章 「売り込まない」ネット集客のための下ごしらえ
おわりに
【今回の一冊】
◆タイトル:『売り込まないネット集客の極意』
◆著者:マーケティングコンサルタント 穂口大悟
◆出版社:BABジャパン
◆ページ数:244
◆2015.6.12
【おすすめ度】(5段階)
●総合 ☆☆☆☆☆
●読みやすさ ☆☆☆☆☆
【関連書籍のレビュー】
【関連リンク】
【編集後記】
ネット集客で、これだけ夢中になって読んだ本は珍しいです。
ブログを書きながら、私自身、ペルソナ分析をしなければと反省しました。
リウムさんの提供しているサービスは内容で考えるとお得なように思います。
・ブログ機能がついている
・スマートフォン対応ページが自動作成
・テンプレートで自分で簡単更新可能
・WEBフォームの簡単設置
私の恩人の司法書士の先生もこちらで魅力的なホームページを作成されました。
やはり、ホームページ・ブログ・SNSは作成する前に行う下ごしらえが非常に重要なことを再認識しました。
私のウェブ活用でのアドバイスもこの、下ごしらの部分を重視していることを再確認いたしました。
【目指せ200冊レビュー!】
今回で181冊目です。
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