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【書籍紹介】創業・起業

5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語『成功者の告白』

【感謝】
読者のみなさまへ
本年もよろしくお願いいたします。
新年早々、心理的に追い込まれております。
あっという間に4月になりそうです。
年始は1年間の計画も考えました。
まず健康、そしてプライベートに仕事。
バランスを大切に過ごしていきたいです。

【今回のテーマ】
創業・起業

 

初稿:2014.1.13

更新:2019.11.5

【今回の一冊】
◆タイトル:『成功者の告白』
◆著者:神田 昌典
◆出版社:講談社+α文庫
◆ページ数:348

【こんな方にオススメ】(5段階)
●起業・創業準備中 ☆☆☆☆☆
●事業の発展段階における仕事・家庭で起こる問題を学びたい ☆☆☆☆
●急成長の影の部分を学びたい ☆☆☆☆

 

【レビュー】

●ビジネスの成長とともに起こる問題

成功者からの相談を受けているうちに、私はあるパターンの存在に気づいた。
ビジネスの成長段階に応じて、どの会社でも同じような問題が勃発するのだ。
そのパターンが見えると、ほんの少しの事実を聞いただけで、これからその会社で何が起こるのか、その経営者および社員の家庭で何が起こっているのかという推測ができるようになってくる。

・社長のペースはとどまるところを知らず、その動きにストップをかけるかのように、問題社員が出てくる。

・業績をあげればあげるほど、組織の問題が大きくなっていく。

カリスマ社長のエネルギーが枯渇したときに、社内はバラバラになる。そして、そのタイミングは、企業のライフサイクルによってある程度予測がつく。

・社内混乱の引き金を引くのは、意外にも社長が一番信頼している右腕社員である。

・社内が創業時からのイエスマンの集まりになっているので、異分子は弾き飛ばされやすい。

・社長の父親が非常に厳しい人間であったこと。そして、父親に対する怒りが未解決であること。

・社長の家庭、とくに子供が問題を抱えていること。

根底に流れるテーマは、ビジネスと家庭とのバランスを取りながら、いかに会社をスムーズに成長させるか、ということである。

このテーマを扱うにあたり、本書は物語の形式をとっている。

本書は、ビジネスの成長段階において、会社と家庭にどのような問題が起こるのかをストーリーで学べるようになっております。

ビジネスの能力を高めるという点では、

1.ビジネスモデルの発展過程

2.ビジネスが立ち上がるまでのジレンマ

3.立ち上がったビジネスは、好調のときにすでに崩壊の種を宿していること

が学べると巻末にあります。

純粋に起業・創業についてのノウハウを学ぶのでしたら他の本がおすすめです。

成長するビジネスの中で、会社と家庭のバランスをいかに保って幸せな人生を送るか。

そういったことを学びたい方におすすめの一冊です。

神田さんの本は今までも色々読みました。

業績向上のための考え方・ヒントを学ぶ上では、

1.あなたの会社が90日で儲かる!―感情マーケティングでお客をつかむ

2.『60分間企業ダントツ化プロジェクト~顧客感情をベースにした戦略構築法~』

この2冊を1→2の順で読まれることをおすすめします。

また、ブログやDM・チラシなどで、効果的な見出し・キャッチコピーを自分で考えられるようになりたい方は

『ザ・コピーライティング ~心の琴線にふれる言葉の法則~』

がおすすめです。

(1)ビジネスモデルを判断する3つのチェックポイント

1.このビジネスまたは商品が成長カーブのどこに位置づけられているのか。
ホームページ作成は成熟期だが、外国語のホームページに特化すれば導入期と考えられる。

2.ライバル会社との比較で優位性があるかどうか。
ビジネスが大きくなったとき、市場への参入バリアが低いと、次々とライバルが現れてくる可能性。
他社が参入してくる前に、ナンバーワンになってしまう。

3.ビジネスを継続するためにじゅうぶんな粗利が確保できるモデルか。
大企業は資本力があるから、粗利が3~4割あればビジネスを成立させてしまう。
起業家の場合、信用がないので銀行からの借り入れに限度がある。

そこで粗利から得られる現金で、ビジネスを運営しないといけない。
一般的な目安として、住宅のような高額品を売るのでなければ、最低5~6割は粗利がほしい。
まずは粗利が高いビジネスを見つける。
そして軌道に乗ってから、粗利が低い商材を加えていくのはよいことだが、粗利が低い商材を軸にスタートさせると、まず立ち上がらない。

考えている商品・サービスが製品ライフサイクルのどの位置にあるかを見極めることは、中長期的にその事業が継続するかを考える上でとても重要です。

また、どのようなライバルが存在するのかもとても大切な視点です。これを狭くみると、想定外の競合が存在することに後で気づきますし、よく考えていれば、あわてることはありません。競合とは、顧客から見た、その商品・サービスの選択肢です。

低価格で薄利多売はスモールビジネスが取るべき戦略ではありません。いかに高付加価値をつけるか。価格以上の価値を伝えられるかが起業では重要です。

(2)社内の混乱 ~社員は社長の鏡~

社員は社長の鏡というだろう。

会社には、足りないところを顕在化させるために、問題を起こすのに最適なメンバーが集まっている。

だから、その働く場自体を向上させていかなければ、いつになっても同じ問題の繰り返しになるんだ。
また、能力がないからさっさとクビを切るという文化を会社が持ってしまえば、今度は、会社が十分なボーナスをくれなければさっさと辞めるという、相手から奪うという文化を会社の中に構築することにもなる。
もちろんスタイルの違いだから反論はあるだろうが、私は他人から奪うことを文化として持っている会社が、発展するとは思えないな。
鬼の経営や軍隊式マネジメントに象徴されるような、つねに緊張感を強いられ恐怖が支配するような環境下では、脳波がベータ波になってしまう。
個々人は学習能力が低くなり、創造性が発揮しにくくなる。
人間は安全な、リラックスできる環境の下では、脳波がアルファー波になる。学習が効率的になり、創造力が増すんだ。
今の時代は、顧客の欲求を喚起しなければ売上が立たない。
つまり、欲求を喚起するような商品を創造する力が必要とされる。
現代では仏のスタイルのほうが合っている。
ただ単に優しいだけじゃないよ。そこにはきちんとした規律と厳しさも合わせ持っていなければね。
子育てをするのに、いきなり厳しくするかといえば、そうではない。
まずは母親の無条件の愛を5~6歳ぐらいまでに与える。
その後に、父親から社会的生活をするうえでの厳しさを教えるんだ。
子供が母親からのたくさんの愛を感じて、自分は安全である、信頼されているという環境をつくらないと、しつけをどんなに厳しくしてもダメなんだよ。
子育て経験のない人間の男が会社でチームをつくろうとすると、逆をやってしまう。会社が混乱すると、まずルールや決まり事で社員を統制しようとするわけだ。

仏のスタイル、実践したいですね。

成長する組織の共通点の一つに社員の定着率の高さがあるように感じます。

(3)グッド&ニュー・承認の輪

この2つの方法を目標管理や給与の査定システム、クレド(会社の価値観・哲学をまとめたもの)の前ステップとして行う。
まずは母親的な愛を注いでゆく。
そしてチームメンバー間に信頼関係を築く。
次のステップは、父親的な意志の力で、社会的生活を営むためのルールや規律を徹底していく。

◇グッド&ニュー

短期間に組織のメンバーを前向きに変えるゲーム。
6人ぐらいまでのチームをつくる。ボールを用い、ボールを持った人は24時間以内に起こったいいこと、もしくは新しいことを簡単に話す。
話が終わったら、まわりの人は拍手する。
そして次の人にボールを回す。この繰り返しだ。
これを毎日やる。ひとり1分ちょっと話すとして、時間にして10分。これだけで、社内が変わりはじめる。
会社でも、出来事のプラス面を見ることを習慣づけることが大切。

◇承認の輪(ヴァリデーションサークル)

チームのメンバーひとりひとりが大切な存在であることを伝える方法。
社員が辞めるときは、この会社では自分の居場所がないと感じたときだ。
そこで社員同士が定期的に、社員の会社における存在を承認することが必要。
『○○さんと一緒に働くことができて、本当によかった。なぜなら・・・』
なぜならの後の文章を完成させるんだ。
「タクと仕事が一緒にできて本当に嬉しい。なぜなら、タクに私の経験を教えることによって、私も一緒に次の段階に行けるからだ」

グッドアンドニューはとても好きで、勉強会やセミナーのアイスブレイクで活用することがあります。

「ありがとうカード」といって、社内で感謝の気持ちを伝え合う仕組みもありますね。

社員の居場所があるか、注意しましょう。

●会社の成長に必要な4人の役者

会社が成長していくためには4人の役者が必要だ。
起業家、実務家、管理者、まとめ役の4人だ。
創業時は、起業家のエネルギーが必要。
起業家は、長期的視野のアイデアがどんどん湧いてくる人。
会社はアイデアだけではスタートできない。
アイデアを具現化していく人が必要だ。これが実務家。
商品の仕入先を決めたり、配送システムをつくりあげたり、顧客の問い合わせに対応する体制を構築したりする。
短期的視野の仕事、つまり日常業務を効果的に回す人だ。
ホンダでいえば本田宗一郎藤澤武夫
こういうのが起業家と実務家のコンビといってもいい。
カリスマ社長の陰には、有能な実務家がいることが多い。
成長期に自分の実力以上に売上があがる上でのさまざまな問題を解決するために、日常業務をルーチン化したりして、短期的な効率を重視するのが管理者
会社でいえば一般的には経理部門だ。
まとめ役は、社内でお母さんと呼ばれるような存在。
この人がいるとほっとするという存在だ。
小さい会社の場合には、社長の奥さんやサポート部門の優しい女の子がこの役割を果たすことが多い。
家業が企業になると、こんどはお父さん、つまり社長がまとめ役にならなければならない。

本田さんと藤沢さん、私も理想とする関係です。

守りと攻め。役割分担がきちんとできている組織はとても強いですね。

実際の成長ステップで起こる問題については、物語を読んでいただくのが一番いいと思います。
ここでは特に印象的だった話をご紹介しました。
最後にエピローグに書いてある実際のビジネスの成長プロセスと、本書の章立てを紹介します。

第1章
成功に向かって、一歩を踏み出しはじめる。
この時期は、仕事はつらく、家庭は円満。

第2章
成功に向かって見事、離陸。この時期は仕事は好調、
家庭で歪みが出はじめる。歪みは家庭のいちばん
弱いところ、とりわけ子供を通じて現れはじめる。

第3章
成功の最終目標への分かれ目。この時期は仕事は
好調だが、人間関係で問題が勃発。家庭は、お互い
期待をしないことでバランスを取る諦めムード。

第4章
仕事と家庭のバランスの回復。仕事においては
人を指導する立場への脱皮。家庭においては
主導権争いから相互依存への進歩。

【目次】

プロローグ
第1章 見せかけの成功物語(ハッピーエンド)
第2章 幸福と不幸の狭間で
第3章 優しさの罠
第4章 成功の果てに・・・
エピローグ

【今回の一冊】

◆タイトル:『成功者の告白』
◆著者:神田 昌典
◆出版社:講談社+α文庫
◆ページ数:348

 

【おすすめ度】(5段階)
●総合 ☆☆☆☆☆
●読みやすさ ☆☆☆☆

【関連書籍のレビュー】
一日も早く起業したい人が「やっておくべきこと・知っておくべきこと」

【編集後記】
独身の時に独立して良かったと思いました。
急成長を目指しておらず、実現もできてないんですが、仕事へ比重が傾くと、家庭の問題が起こりますね。
ちょうどいい塩梅を模索していこうと思います。

【目指せ200冊レビュー!】
今回で144冊目です。

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