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【書籍紹介】リアル販売促進

商品の評判の8割は女性がつくる『クチコミュニティ・マーケティング』

クチコミュニティ・マーケティング

クチコミュニティ・マーケティング

【今回のテーマ】

クチコミ

【今回の一冊】

◆タイトル:『クチコミュニティ・マーケティング』

◆著者:日野 佳恵子

◆出版社:朝日新聞社

◆ページ数:221ページ

◆2002.9.1

 

【こんな方にオススメ】(5段階)

●女性向けの新商品開発 ☆☆☆☆☆

●クチコミを強化したい店舗経営者 ☆☆☆☆

●BtoC向けのマーケティングを考えている人 ☆☆☆☆

 

【レビュー】

●全国の主婦2000人に聞きました。「ズバリあなたは宣伝広告とクチコミのどちらを信じますか?」

全国の主婦2000人に聞きました。

「ズバリあなたは宣伝広告とクチコミのどちらを信じますか?」

・宣伝広告を信じる 17%

・クチコミを信じる 83%

※2002/4/6 HER STORY調べ

クチコミュニティ・マーケティングのコンセプトは、

「クチコミをコミュニティから起こすことで会社を成長させる。」

企業の発展は、お客様に支援されてこそある。

お客様に支援されるとは、お客様にファンになっていただくことだ。

ファンになってくだされば、自然にお客様がお客様を呼んでくださる。

お客様と相互に関わり、コミュニティを築き、継続してつながることでお客様にクチコミで広げていただける会社体質をつくることがクチコミュニティ・マーケティング

HER STORYは女性に特化したマーケティング会社で2002年時点で全国の主婦65,000人を会員に持たれています。

上記の内容もその全国の主婦組織を活用した調査とのこと。

今では、エリアやターゲットを指定して、簡単にアンケート調査を代行できる仕組があるそうです。

本書前半ではHER STORYがどのようにして生まれたかが紹介されています。

事例がとても詳細で、事例を通じてクチコミでどのようにファンを増やしていくかが具体的に描かれています。

スマートフォンの普及に伴い、いままで以上にクチコミやネット上の評判、SNSでの友達やフォローしている人の情報を意識する時代となりました。

あるフレンチのお店では、いろいろと販促手段を試した結果、食べログが最も有効という結論となり、食べログの有料プランを活用されています。

クーポン等、価格訴求で獲得した顧客は次回はさらにお得なクーポンのお店を探し、なかなかリピーターにはなってくれません。

きちんと自社の魅力を明確にし、それを伝える工夫がとても重要です。

14年前の書籍ですが、今にも十分通じるクチコミを活用した成長方法が惜しげもなく紹介されています。

 

(1)共感者シーダー

・共感者を「シーダー」と呼ぶ。

・アクティブで、何か面白そう、とう好奇心旺盛なシーダーを集める。

・「シーダー」の集合体をクチコミュニティと呼ぶ。

・自分たちの考えを発信することで共感者は集まる。

・マスコミによる紹介がクチコミュニティづくりを後押しする。

思い起こせば、私が中小企業診断士として8年目に至っているのは、仕事ぶりを評価していただき、他の案件や、他の方を紹介いただいたことが全てだと思います。

本書でいう「シーダー」が生まれたおかげで今があります。

マスコミには紹介されていませんが(笑)

北海道函館のハンバーガー店、ラッキーピエロはスーパースター団員になることで、新商品の試食会やお客様感謝祭に招待されることが以前カンブリア宮殿で紹介されていました。

サーカス団入団案内

アウトドアメーカーのスノーピークは「スノーピークウエイ」というお客様と社員が一緒にキャンプをするイベントを開催しています。

優れた会社は自社の共感者を集め、交流する仕組みを構築されていますね。

 

(2)1本立てる

創業時、営業で担当者と話ができたとしても

「得意な分野は何?」「他の広告代理店とどこが違うの?」

と聞かれる。

「何でもできます。」

といってはだめだ。

そこで、自分の会社が《どこが違うか探し》に早々に取り組んだ。

・女性経営者であること(他に3社。20代は皆無。当時、私は29歳だった。)

・女性の専門職経験者(外注先)を大勢(創業期約300人)抱えていた(他に0社)

・主婦のモニターや座談会などが実施できる(他に0社)

自社の明確な特徴をはっきりと出し、相手がその特徴を認識できるような発信を行うことで、

こちらの「存在」を発見しやすくしてあげることは、実は発注元に対しても親切な方法だと思う。

1本立てる。これはクチコミュニティ・マーケティングの柱となる部分だと考える。

1.1本立てれば、お客様のほうからやってくる

2.1本立てれば、同業社から仕事がやってくる

3.1本立てれば、商談が有利に運びやすくなる

当方でいうところのコンセプト、何で勝負するか、ですね。

そのためには自社と他社をよく知ることが大切です。

ある雑貨店はコンセプトを明確にして発信することで、遠方からも顧客が来るようになりました。

あるラーメン店は看板商品を明確にすることで、お客様からもウリがはっきり理解され、業績が向上しました。

1本立てれば、お客様のほうからやってくるというのは実感も含めて本当だと思います。

同業者でも、自社が苦手なこと、あまりやりたくないことを引き受けてくれる会社があれば嬉しいですね。

そして、お客様が向こうから来てくれると、買い叩かれることがなくなります。

こちらから営業に行くと、必ず価格等で不利な条件が突き付けられます。

この立ち位置の差は非常に大きいです。

1本立てる。これができていなければ、そもそもクチコミになる材料がないということです。

 

(3)会員3000人に聴いた飽きる期間

自分が好きなものに対して、どのくらいの期間で飽きがくるかを会員3000人に調べた。

・好きな政治家 半年未満56.8% 半年以上1年未満23.9%

・携帯電話 半年以上1年未満36.2% 5年以上 25.2%

・洋服のブランド 1年以上3年未満36.9% 5年位上23.7%

・缶コーヒー 半年未満42.0% 半年以上1年未満22.5%

・美容院 1年以上3年未満 28.8% 5年以上24.4%

・ビール 半年未満33.4% 半年以上1年未満18.9%

・思想 5年以上50.4%

・ポリシー 5年以上64.4%

いかに人間は移り気なのかがよくわかる。

なかでも嗜好品やトレンド物は早い。

それに対して、思想やポリシーは長く、浮気が少ない。

「こんなアンケート結果が根拠として欲しかった」というのが正直な感想です。
「共感」というのは、思想やポリシーに賛同するということです。
5年以上が最多となっており、これが理解されると非常に強い顧客との結びつきが生まれることが明確ですね。
昔からの売り方を続けていて、業績が低迷している会社ほど、商品・サービスと価格だけを伝えています。
他に情報がないと、同じようなものであれば価格が安い会社を選びます。

しかし、思想やポリシーに共感していると、価格はあまり問題でなくなります。
単に商品・サービスを価格をつけて売っているだけでしたら、すぐにでも伝え方の再考が必要と思われます。

●会社を魅力的に魅せる10の方法

・人が何かのファンになる心理の4段階

「認知」 → 「理解」 → 「共感」 → 「行動」

・会社を魅力的に魅せる10の方法

1 ネーミングを変える

2 「らしさ」、イメージを統一する

3 デザインを変える

4 提供価格を変える

5 伝え方を変える(営業トーク・宣伝方法)

6 気持ちに訴えるツールをつくる

7 お客様の声を公開する

8 社員の姿を公開する

9 キャッチフレーズをつくる

10 ロゴと色を決める

この10項目は見直すべき点ばかりだなと自分自身反省させられました。

ロゴも作ろうと思いながらズルズル今に至ります(笑)

山形の果実”みだくなす”は”ラ・フランス”と名前を変えただけでバカ売れしました。

じじやさんは、お客様の声を活用することで崖っぷちの経営状態から復活されました。

お客様の声の底力!『売れた!売れた!お客様の声で売れました!』

お客様の声の底力!『売れた!売れた!お客様の声で売れました!』

店舗の外観を一新されて、来店客が増加したケーキ屋さんがありました。

本書後半は、こういったチェックリストを含めて実践法が紹介されています。

事例によるケーススタディがとても豊富です。

・釣具屋さん

・村の特産品

・造園業

・ビルメンテナンス

・フリーペーパー

・カフェ

・薬屋

・古着店

・清掃業

案件によっては、HER STORYさんに相談しようかなと思うくらい濃い内容でした。

今はSNSをはじめとする進化したネットクチコミを活用してさらに進化されているのではないでしょうか。

子育て中の優秀な在宅・昼間しか動けない主婦に活躍する場を提供するという使命感のもと、ここまで仕組みを構築されたことに感動しました。

B to Cの商品は男性のものでも女性(奥様やお母さん)が購買の意思決定をしているケースが非常に多いです。

クチコミでファンを増やしたいと思われる方におすすめです。

 

【目次】

はじめに

第1章 クチコミュニティ・マーケティングって何?

第2章 ドキュメント 論より証拠 私の会社をクチコミで伸ばす!

第3章 あなたの会社をクチコミで伸ばす実践法

そして、ここからエピローグ

 

 

【今回の一冊】

◆タイトル:『クチコミュニティ・マーケティング』

◆著者:日野 佳恵子

◆出版社:朝日新聞社

◆ページ数:221ページ

◆2002.9.1

アマゾンでレビューを見る

【おすすめ度】(5段階) 

●総合 ☆☆☆☆☆

●読みやすさ ☆☆☆☆

 

【関連書籍のレビュー】

口コミについて知っておくべき事実

『口コミ伝染病 お客がお客を連れてくる実践プログラム』

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(1)崖っぷちから、逆転ホームラン

(2)トップ紹介マンの存在

(3)口コミを伝染させるツールを作成する

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【関連ブログ】

【関連サイト】

HER STORY

 

【編集後記】

クチコミでファンができ、リピート・紹介してくれるようになるのは私の支援の理想形でもあります。

そのために小さな家族経営のようなお店でもできそうな次の一手を提案し、一緒に取り組んでいます。

まだまだクチコミについても深めていかないといけないと感じました。

 

【目指せ300冊レビュー!】

今回で204目です。

 

【最新の書籍紹介はこちらで掲載しています】

岩橋マネジメントサービスHP

 

【過去の書籍紹介はこちらのブログに書いていました】

中小企業経営に役立つビジネス書・自己啓発書レビュー

 

【おわりに】

最後までお読みくださりありがとうございました。
今後とも引き続き、よろしくお願いいたします。

 

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