売れない理由を疑い、売れる仕組みをつくる『営業マンは断ることを覚えなさい』
【こんな方にオススメ】(5段階)
●従来の営業方法では売れない ☆☆☆☆☆
●顧客と長期的な信頼関係を築きたい ☆☆☆☆
●営業を仕組み化し、効率を上げたい ☆☆☆☆
【感謝】
読者のみなさまへ
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
正月は雪だるまを制作しました。
大きなものをつくるのはなかなか難しいことを学びました。
小さなことをコツコツ積み上げていくことが大事ですね。
【今回のテーマ】
営業のしくみ化
【今回の一冊】
◆タイトル:『営業マンは断ることを覚えなさい』
◆著者:日本経営教育研究所 代表 石原 明
◆出版社:三笠書房
◆ページ数:237
◆2007.9.10 初版
【レビュー】
●「あなただったらどんな営業マンから買いたいですか?」
営業マンの教育は、営業に対するイメージを変えることからはじまります。
営業には間違ったイメージがほとんどの人に入っています。
「お客様にペコペコ頭を下げて、何とか買っていただく、言われたことは何でもやります。」
というものです。そこで視点を買う立場になって考えてみます。
「ペコペコして、何でもしますという営業マンと、聞いたことに対してしっかり答えてくれて、できないことはできないとハッキリ言う営業マンがいたとして、どちらから買うか?」
この質問の答えは必ず
「自分だったら、後者から買います。」
ということになるはずです。
自分の思っている営業マンのイメージと、現実にお客様に信頼され、頼りにされ、売れる営業マンのイメージは、全然違うことに気づいてもらうことです。
本書は上記のように、一般的な営業のイメージを変え、いかに売れる営業マンになるのかの具体的
ノウハウが書かれています。
また、営業を4つのマーケティングステップに分け、営業担当が行うこと、会社組織として行うことを明確に切り分けています。
神田昌典さんの考え方もこれに近いように思います。
従来の一般的な営業から個人・会社として脱却したい方におすすめの一冊です。
(1)売れてる営業マンの魔法の言葉
「それは無理です。その日はどんなことがあってもお会いできません。いっぱいなんです。」
「じゃあいいです。無理に買ってもらおうとは思っていませんから。」
お客様は、売れてる営業マンから買いたいと思っています。
なんとか、この人に買ってもらいたいと思った時に、
「無理にお買い上げいただかなくて結構です。」
と言えるのが売れてる営業マンなのです。
社長さんでも、売上が落ちてきて
「なんとか買ってもらいたい」
という気持ちで、頭がいっぱいになり、このプライドを忘れてしまっている方を見かけますが、だからますます売れなくなります。
顧客から見たら買いたくない人になることに気づいていないのです。
(2)売れない理由を疑う
「商品がよくないから売れない」
→営業マンは顧客より、説得しやすい会社(社長)を説得する。
お客様はまだ実際に体験していないので、商品がいいことと、お客様に売れるかはあまり関係がない。商品が良く見えること、良さそうに見えることが重要。「値段が高いから売れない」
→私の経験では、値段を上げた方が売れるようになる、が圧倒的に多い。「うちの会社は小さいから、有名じゃないから」
→商品を売る前に会社を売る大きさよりも考えや姿勢を売る
(3)会社の姿勢をきちんと伝える
お客様が会社を選ぶのと同じように、会社もお客様を選んでいると伝えること。
お客様といい関係を作っていきたいと思っていることをしっかりと伝える。
否定語を使う、思ったことを口にする、わざと断る、それから、主導権を意識する。
さらには、自己紹介や会社紹介の中に主義や考えをしっかりと話す。
「当社は、誰でも彼でもに買って欲しいという訳ではなく、私どもの考えをしっかり理解してくださったお客様と、永くお付き合いしていきたいと考えている会社なのです。」
この営業マンの態度にお客様が満足すると、本当にいい会社と縁ができた、これで任せても安心と思ってくれるということです。
●4ステップの中心は見込客フォロー
1.集客
2.見込客フォロー
3.販売
4.顧客化見込客フォローの意味は集客によって集めた見込客に対して情報をまとめて、あるいは定期的に
送ることで、より見込度の高い見込客へと育てる教育をするということ。
集客の役割が、売るための見込客をなるべく多く集めることから、見込客フォローができる見込客のリスト化へとシフトします。
最終章では建築業、保険のセールス、パンの宅配、自社の取り組みを具体的な事例として紹介されています。
会社の顧客への基本的な姿勢、営業マンとして顧客とどう接するか、会社として、高コストな営業マンを最大限生産的に活用する4ステップマーケティングと、大変実践的な内容が多く語られています。
会社としてマーケティングの4つのプロセスを仕組み化することがカギという提案です。
今までの営業手法で見直しをお考えの方におすすめです。
【目次】
はじめに
1章 営業マンの教育は、営業に対するイメージを変えることから始める
2章 『断ること』をどう教えるか
3章 ・・・だから売れないは本当か
4章 経営者は断れるしくみを作りなさい
5章 組織として『売れるしくみ』4ステップのマーケティングを作るポイント
6章 『売れるしくみ』4ステップのマーケティング解説
7章 『売れるしくみ』を作ることで業績を伸ばしている会社
あとがき
【今回の一冊】
◆タイトル:『営業マンは断ることを覚えなさい』
◆著者:日本経営教育研究所 代表 石原 明
◆出版社:三笠書房
◆ページ数:237
◆2007.9.10 初版
【おすすめ度】(5段階)
●総合 ☆☆☆☆
●読みやすさ ☆☆☆
【編集後記】
営業をステップにわけて考えるということは神田昌典さんの書籍ではじめて学びました。
本書も営業を4つに分解しています。
「マーケティングは販売を不要にすること」
ドラッカーさんの言葉ですが、本書を通じてもそれに近づけるように思います。
【目指せ200冊レビュー!】
今回で168冊目です。
この記事へのコメントはありません。