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【書籍紹介】コンセプト創造

創造的人間がアイデアを具現化するプロセス『アイデアのつくり方』

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【今回のテーマ】

コンセプト

【今回の一冊】

◆タイトル:『アイデアのつくり方』

◆著者:ジェームス・W・ヤング 今井 茂雄 訳 竹内 均 解説

◆出版社:CCCメディアハウス

◆ページ数:102

◆1988.4.8
【こんな方にオススメ】(5段階)

●コンセプト・アイデア創造の過程を学びたい ☆☆☆☆☆

●発想力を意識的に伸ばしたい ☆☆☆☆

●新しいアイデアを考えたい ☆☆☆

【レビュー】

●アイデア作成は一定の明確な過程である

アイデアの作成はフォード車の製造と同じように一定の明確な過程であるということ、

アイデアの製造過程も一つの流れ作業であること、その作成に当って私たちの心理は、

習得したり制御したりできる操作技術によってはたらくものであること、

そして、なんであれ道具を効果的に使う場合と同じように、

この技術を修練することがこれを有効に使いこなす秘訣である、ということである

この貴重な公式を私が惜しげもなく公表する2つの理由

1.説明すればごく簡単なので、これを聞いたところで実際に信用する人はまず僅かしかいない

2.説明は簡単至極だが実際にこれを実行しようとすると最も困難な種類の知識労働が必要なので、誰もがこれを使いこなすわけにはいかない

本書は『企画は、ひと言』でも紹介されており、数珠つなぎ的に読むことにしたものです。

筆者のジェームス・W・ヤング(1886~1973)はアメリカ最大の広告代理店・トムプソン社の常任最高顧問、アメリカ広告代理業協会の会長などを歴任された方です。

初版が1988年であり、新しい本ではありません。しかし、支持され続ける本には不変の真理が書かれています。

私は経営の相談を受けたその日・その場ですぐに適切な助言を行うのが苦手です。

それには、本書にあるように、必要な情報を収集し、一度考えてみて、寝かせて、ひらめく時間が必要だからです。

なんとなくそうだろうなと思っていたことが明確に5つのステップで説明されることでとてもスッキリしました。

また、まだ寝かせるべき段階なのに、無理に答えを出そうとして四苦八苦することもよくあります。

もう少し本書に書かれている5ステップを意識し、順序良く思考を進められるようになりたいものです。

(1)真にすぐれた創造的広告マンの2つの特徴 ~第一 資料集め~

<当面の課題のための資料>

製品とその消費者についての身近な知識について、表面的な相違がほとんど目立たないような場合、そこには何ら相違点がないとすぐあきらめてしまう。

しかし、十分深く、あるいは遠くまで掘り下げていけばほとんどあらゆる場合、すべての製品とある種の消費者との間に、アイデアを生むかも知れない関係の特殊性が見つかるものなのだ。

<一般的知識>

真にすぐれた創造的広告マンの2つの特徴

第一 例えばエジプトの埋葬習慣からモダン・アートに至るまで、彼らが容易に興味を感じることのできないテーマはこの太陽の下には一つも存在しない。人生のすべての面が彼には魅力的。

第二 彼らはあらゆる方面のどんな知識でもむさぼり食う人間であること。広告マンはその点、牛と同じである。食べなければミルクは出ない。

(2)問題を完全に放棄する~第三 孵化段階~

シャーロック・ホームズがいつも一つの事件の最中に捜査を中止し、

ワトソンを音楽会にひっぱりだしたやり方を記憶されているにちがいない。

実際家で融通のきかないワトソンにとってはこれはひどくいらだたしい手順であった。

しかしコナン・ドイルはすぐれた創作家で創造過程というものがどんなものかをよく知っていたのである。

アイデア作成の第三段階に達したら、問題を完全に放棄して何でもいいから自分の想像力や感情を刺激するものに諸君の心を移すこと。

音楽を聴いたり、劇場や映画に出かけたり、詩や探偵小説を読んだりすることである。

(3)アイデアを具現化する方法 ~第五段階~

生まれたアイデアを、それが実際に力を発揮しなければならない場である現実の過酷な条件とかせちがらさといったものに適合させるためには忍耐づよく種々たくさんな手をそれに加える必要がある。

多くの良いアイデアが陽の目を見ずに失われてゆくのはここにおいてである。

アイデアについて理解ある人々の批判を仰ぐことである。

そうすれば驚くことが起こってくる。

良いアイデアというのはいってみれば自分で成長する性質を持っているということに諸君は気づく。

良いアイデアはそれをみる人々を刺激するので、その人々がこのアイデアに手を貸してくれるのだ。

諸君が自分では見落としていたそのアイデアのもつ種々の可能性がこうして明るみに出てくる。

●アイデア作成の全5過程

第一 資料集め

諸君の当面の課題のための資料と一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料と

第二 諸君の心の中でこれらの資料に手を加える

第三 孵化段階

そこでは諸君は意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるのにまかせる

第四 アイデアの実際上の誕生

ユーレカ!(分かった!みつけた!しめた!)という段階

第五 現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階

 

情報収集の深みが足りないと、いいアイデアにたどりつけないということは耳が痛い話でした。

また、新規事業計画の相談を受けていると、第五のアイデアを実現する段階がまだ甘いと感じることがよくあります。

「まだアイデア段階で実現可能性が低い」という評価はこのステップが不十分なのだとよく理解できました。

Mr.Childrenの桜井さんも、風呂の中で良い歌詞が浮かんだり、朝起きた時にふといいメロディーができると話しておられました。

そのひらめきの背景には、ずっとそのテーマについて情報を集め、自分で考えて、答えがでない過程があるのだろうと思います。

【目次】

序 ウィリアム・バーンバック

日本の読者のみなさんに

まえがき

この考察をはじめたいきさつ

経験による公式

パレートの学説

心を訓練すること

既存の要素を組み合わせること

アイデアは新しい組み合わせである

心の消化過程

つねにそれを考えていること

最後の段階

二、三の追記

解説 竹内 均

訳者あとがき

【今回の一冊】

◆タイトル:『アイデアのつくり方』

◆著者:ジェームス・W・ヤング 今井 茂雄 訳 竹内 均 解説

◆出版社:CCCメディアハウス

◆ページ数:102

◆1988.4.8

 

アマゾンでレビューを見る

【おすすめ度】(5段階)

●総合 ☆☆☆☆☆

●読みやすさ ☆☆☆☆

【関連書籍のレビュー】

『企画は、ひと言』店舗コンセプト・事業コンセプト・新商品コンセプトのつくり方 

●コンセプトは5つのSでうまくいく

(1)トンガリ幻想を捨てよ

(2)「ベタ」に「新しさ」をプラスαせよ

(3)プラスαの魔法をかける5つの方法

●「ひと言」をつくりだす3つのステップ

 

コンセプトのつくりかた『成功はすべてコンセプトから始まる』

●コンセプトとは?

(1)良いコンセプト4つの条件

(2)コンセプト立案の4ステップ

(3)ビジネスモデルの三本柱発想法

●コンセプトを実現するための4つの質問
【関連ブログ】

コンセプトとは?4つのポイントと3つの視点

 

【ブログカテゴリ】コンセプト事例

 

【編集後記】

既存事業が低迷している時、今までと異なる新たな発想が必要となります。

そのためには、今までの延長線上だけで業績が上向くことはないことを自覚することが第一歩です。

私自身も、絶えず新しいチャレンジをしていかねばと思います。

【目指せ200冊レビュー!】

今回で193冊目です。

 

【岩橋マネジメントサービス】

小さな会社のコンセプト創造と販売促進|岩橋マネジメントサービス

【おわりに】

最後までお読みくださりありがとうございました。
今後とも引き続き、当ブログをよろしくお願い
いたします。

 

【過去の書籍紹介はこちらのブログに書いていました】

中小企業経営に役立つビジネス書・自己啓発書レビュー

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