【こんな方にオススメ】(5段階)
●従業員第一経営を学びたい ☆☆☆☆☆
●サウスウエスト航空のマネジメントを学びたい ☆☆☆☆☆
●感動のサービスを生み出す組織を学びたい ☆☆☆☆
●感動のサービスを学びたい ☆☆☆☆

 

【感謝】
読者のみなさまへ
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
年末は人生初のおせち作りに挑戦しました。
といっても、筑前煮の野菜の下ごしらえが大半でしたが・・・。
自分で作って見ると、他の人のコメントが気になりますね(笑)
また、その手間を知ることで、作ってもらった時の感謝の気持ちがより強くなります。
さて、新年第一回目の投稿です。ちょうど私のライフワークに直結した本を読み終えましたので、今回はこちらをご紹介いたします。

 

【今回のテーマ】
従業員第一経営

 

【今回の一冊】
◆タイトル:社員第一、顧客第二主義
◆サブタイトル:サウスウエスト航空の奇跡
◆著者:伊集院 憲弘
◆出版社:毎日新聞社
◆ページ数:223

 

【レビュー】

●過去25年間、連続黒字

年月・・・・・・・・・1971.6.16 → 1998.5
社員数・・・・・・・・195名   → 約2万6000人
ボーイング737型機・・4機    → 265機
1日の便数・・・・・・18便   → 2300以上
路線・・・・・・・・ 3都市  → 全米26州52都市53空港

この航空会社は73年以降毎年連続して黒字を出している超優良企業である。
また、会社創立以来一度も人身事故を起こしていない安全生の高い航空会社でもある。
この会社を創設した人たちの夢は、できるだけ航空運賃を安くして、できるだけ多くの人々が気軽に飛行機を利用して移動できるようにしたいということであったという。
そのためには何といっても、まずコストを低く抑える努力が必要であり、そこで、余分なサービスを省くことや、飛行機の稼働時間を伸ばすこと、混雑した空港の使用は避けて、発着枠を多くとれるような空港を利用すること、利用者の利便性を考慮し、2地点を結ぶ便数をできるだけ多くすることなど、コスト削減のための工夫と経営努力が積み重ねられてきた。
これがアメリカ国民に評価されて、現在の規模と名声を得る結果となっている。
この会社のロゴマークはハートである。すなわち”愛”を表している。
同社の愛は、お客様や地域住民に対する愛であり、もうひとつは社員に対する愛である。
同社のポリシーのひとつに「社員第一、顧客第二」というのがあると聞く。
一瞬「ウン?」となるが、会社の経営陣が心底から社員を愛し、社員を信じて社員が楽しく働ける会社にしたいと思い、その社員を大切にしてくれているという気持ちが社員に伝われば、社員がどのような気持ちでお客様に接するかは、あらためて説明するまでもない。
自社の社員を信じて、同社は「社員第一主義」を大きくアピールするのだ。

本書は日本航空で働いておられた方で、その方がサウスウエスト航空に実際に乗り、調査したことがまとめられております。
ご自身の日本の航空会社での経験と比較している記述も多い点が特徴です。
サウスウエスト航空のマネジメント・サービスを最もよく理解できるのは『破天荒!―サウスウエスト航空 驚愕の経営』と思いますが、この本はボリュームが非常に多く、文字も小さめのため、初めて読むにはしんどい方も多くおられると思います。
よって、サウスウエスト航空のマネジメント・サービスを理解する初めの一歩としては本書は最適の本と感じました。

 

(1)経営者たちの徹底した個人情報公開

役員を紹介する小冊子。1ページにひとりずつのプロフィールが紹介されているのだが、これがまたとても楽しい。
ページの上段には本人の写真が2枚ある。
左側は普通の笑った顔、右側の方はおどけた格好の顔となっている。
プロフィールの項目は下記の通り。

●サウスウエスト航空で色をぬり始めた時期
●誕生日
●サウスウエストで働いていて一番好きなこと
●子供の頃、なりたかった職業
●子供の頃、好きだったオモチャ
●今一番好きなオモチャ
●子供の頃、初めて大勢の人たちの前で披露したこと
●子供の頃に一番誇りに思った時
●大人になって一番誇らしく思った時
●最初のペットの種類とその名前
●わが十代の頃のアイドル
●好きなキャンディバー
●私の子供の頃の愛読書
●私のことで、ほんの少人数しか知らないこと
●私の高校時代のクラスメイトが自分のことを表現すると・・・
●私が楽しい一時を過ごしたと思う時
●私を最も笑わせてくれる人たち

これらの項目の他に、

●「枠線からはみ出して色をぬるサウスウエストの社員とは
●リーダーシップとは

などもそれぞれの役員が語っている。

 

(2)「ハーブ・ケレハーに会った?」

これが機内で、サウスウエスト航空のキャビンアテンダントたちの私に対する最初の質問であった。
私が、会わなかった旨を伝えると、全員が口をそろえて、

「それはとても残念だったわね。この次は絶対、ハーブに会うべきよ。何しろ彼は素晴らしい人なんだから」
「それに、とても面白いのよ。そして、私たち社員のことをとても大事にしてくれるの」
「私たち、ハーブのこと大好きよ」

「私は彼の言うシンプル・イズ・ザ・ベストっていうのがとても気に入っているのよ」

ケレハー社長賞賛の大合唱である。
私が会ったこの会社の社員がひとり残らず、”自分の会社は世界一、そしてハーブ大好き”ということを言う。

「私はこの会社で働き始めて、まだ1年しかたっていないけど、この会社はみんなが家族みたいに仲良しで、お互いに助け合う風土がとても気に入っているわ」
「サウスウエスト航空で働けることをすごく誇りに思っているの。そりゃあ、仕事は非常に厳しいけど、この会社はとても暖かい会社なのよ。だから他の会社で働くなんてことはもう考えられない」
「私たちの会社は世界で一番素晴らしい会社よ」
「ハーブは時々ギャレーの飲食品の補給搭載を手伝ったり、旅客の荷物を貨物室に積み込むのを手伝ったりもするのよ」

 

(3)社長はまず、社員の味方

”ちょっとやりすぎじゃないの”というサービスに対するクレームへのハーブ自身の直接書いていた返事お手紙を拝見いたしました。

私どもの客室乗務員のユーモアが、貴方様から見ると、ちょっとばかりやりすぎではないかというご意見ですが、私どもは、あれでいいと思っております。なぜなら、私が彼らに対して、そうするように大いに奨励しているからです。人生は短くて辛いことも多くあります。せっかく生きているのなら大いに楽しまなくては損だと思います。

狭い空間の中に閉じこめられ、窮屈な座席に縛りつけられているお客様に、少しでも気分よくすごしていただくために、客室乗務員たちがユーモアスピリッツを発揮してサービスにあたるように指導しています。
これは私のポリシーでもあります。
私どもには数多くのお客様から、客室乗務員のユーモアのお陰で緊張することなく楽しいひと時を過ごすことができたとか、彼らのユーモアが楽しいのでサウスウエスト航空を利用するのだというようなコメントが寄せられています。
したがいまして誠に残念ながら、私はこのポリシーを変更する気持ちは全くございません。
貴方様が、どうしても私どもの客室乗務員のユーモアあふれるサービスが気に入らないとおっしゃるのであれば、次回からはどうぞ別の航空会社をご利用くださることをお勧めいたします。
サウスウエスト航空のすごさは、型破りなサービスに好感をもっていない人に対して、”どうぞ別の航空会社をご利用ください。私どもは今のサービスポリシーを変更するつもりは毛頭ございませんので”堂々と回答するところである。

●「やらなければ」でなく「やりたいから、やる」

ケレハー社長をはじめ、社員たちが多く口にするのは
「やらなければならないから、やるのではない。自分がやりたいから、やるんだ!」
というフレーズである。

これが2万6000人の全社員の合言葉になっていることに凄味さえ感じる。
そして、同社の「顧客」や地域住民たちも、そのフレーズが単なるタテマエでなく、職場のみならずコミュニティにおいて実行されていることを知っている。
同社は1997年12月29日発行のフォーチューン誌で、「働きがいのある会社」の全米企業ランキングでトップに評価されています。
株主総会においても、ケレハー社長はこの評価や好調な業績についても、
「わが愛すべきサウスウエスト航空の社員たちは、彼ら自身のために、そしてお客様のため、そして株主のみなさまのために、この優秀さを27年間かけて手作りしてまいりました。私は、わが社の社員たちのことを、とても、とても誇りに思っております。」
と、「社員が誇り」とスピーチされています。

真の顧客満足のためには、何といっても従業員満足がまず必須条件であるということがわかりやすく描かれております。
サウスウエスト航空への感動的なサンキューレターも多く紹介されており、社員の幸せを願う経営者、管理者にとって多くの気づきを与えてくれる本です。

 

【目次と注目ポイント】
第1章 「黒字は、社員への愛から始まる」
第2章 「経営者は、部下のために働くサーバント」
第3章 「経営報告書は、社員にわかりやすく、透明に」
第4章 「リーダーの資質、それはユーモアセンスだ」
第5章 「そして、顧客への奉仕と愛」
第6章 「社員がいいと思ったことがのびのびできる」
第7章 「社長は、まず社員の味方」
第8章 「経営者の条件<社員に仕事を楽しませているか>」

 

【今回の一冊】
◆タイトル:社員第一、顧客第二主義
◆サブタイトル:サウスウエスト航空の奇跡
◆著者:伊集院 憲弘
◆出版社:毎日新聞社
◆ページ数:223

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【おすすめ度】(5段階)
●総合 ☆☆☆☆☆
●読みやすさ ☆☆☆☆

 

【編集後記】
本書で日本人の視点からサウスウエスト航空の
マネジメントを学習することができました。
『破天荒!―サウスウエスト航空 驚愕の経営』
アメリカ人の方が非常に綿密に調査されて書かれた本を
日本語訳してある本です。
サウスウエスト航空のマネジメントを学ぶ
第一歩として本当におすすめの一冊です。
ここでの教訓は書ききれないので、
またツイッター、ブログでも発信して
いきたいと思います。

【目指せ100冊レビュー!】
今回で95冊目です。

丹波経営研究会