中小企業診断士独立体験記09~経営支援のゴールとは?~【27歳で独立10年目記念】
中小企業診断士の仕事をさせていただいていると、
「顧問企業は何件もってるんですか?」
とよく聞かれます。
中小企業診断士で独立している = 顧問契約している企業が何社か持っている
というイメージをどうやらお持ちのようです。
私は、クライアントからよほどの希望があり、必要性があると感じない限り、顧問契約といった長期的な関係は構築しません。
なぜかというと、経営支援のゴールは経営者の自立にあると考えているからです。
この考えに確信を持ったのは、アドラー心理学で、
という言葉に出会ったことです。
また、私自身がローコスト経営を志向しており、固定費はできるだけ少なくした方が経営が楽だと考えています。
だから自宅兼事務所であり、携帯を格安SIMに切り替えたりしています。
なので、私が事業者にとっての固定費になることは好ましいことではありません。
それに、問題解決型の相談であれば3~5回の訪問で、現状を理解し、当面すべきことはすべて出し惜しみなくお伝えしてしまいます。
あえて小出しにするようなことはしません。
顧問契約は、診断士の経営上は安定収益であり非常に魅力的です。
特に独立当初は継続的な支援がほぼ約束されている税理士さんや社会保険労務士さんのビジネスモデルをうらやましく思うことも正直ありますし、税理士の資格取得を進められたことも何度かありました。
しかし、
「〇〇さんがいないと困る。」
といった依存状態が継続するのは望ましい形ではないと考えております。
顧問契約は志向していませんが、PDCAサイクルの”CA(実行を検証し、改善行動をとる)”の部分をともに検証し、改善策を考えることを定期的に行うことは価値があると思います。
外部のチェックがないと、ついつい目の前の仕事に追われ、”CA”を忘れたり、結果的にできなかったりすることがよくあるためです。
チェックの日を決めると、そこまでに具体的な進捗を報告しなければと、前日・当日の追い込みになったとしても、何らかの行動をされるからです。
外部からの定期フォローは、クライアントの時間を買うこと、緊急ではないが重要なことを確実に進める上で大きな意義があります。
おおさか地域創造ファンドのコーディネーターをしていても、補助事業期間終了時に経営者が言われるのは、
「定期的なチェック、1年毎の審査というプレッシャーがあったおかげで新事業をここまで進めることができた。このフォローがなければ、本業に追われ、ここまでできなかった。」
と異口同音に言われます。
重要だが、緊急でないことを目の前の本業をしながらこなす。この良い習慣を習得できるまで、自立できるまでの継続フォローは良いと思っています。
次回はあなたがクライアントに選ばれている理由を知るです。
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