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【書籍紹介】社員を大切にする経営

景気を超越し、景気を創造する企業とは?『日本でいちばん大切にしたい会社3』

社員を大切にする経営

金銭・利益以外の価値、それが何なのかを示す必読の書

 

【こんな方にオススメ】(5段階)
●従業員第一経営の事例を学びたい ☆☆☆☆☆

 

【感謝】
読者のみなさまへ
いつもご覧いただき、誠にありがとうございます。
3月も後半ですが、まだ朝夕は肌寒い日が続きます。
おかげさまで、今回で、とりあえる目標としていた100冊目に到達しました。
知識の習得と現場での実践を繰り返すことで、生きた知恵にしていく。
その過程で、本ブログ・メルマガは知識の習得・整理において私自身大変有意義なものとなっております。
のんびりとしたペースではございますが、また200冊を目指して継続していきたいと思いますので、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

 

【今回のテーマ】
従業員第一経営

 

【今回の一冊】
◆タイトル:日本でいちばん大切にしたい会社3
◆著者:坂本 光司
◆出版社:あさ出版
◆ページ数:257

 

【レビュー】

●景気を超越し、景気を創造する

1.社員とその家族
2.社外社員とその家族
3.現在顧客と未来顧客
4.障がい者や高齢者などの社会的弱者
5.出資者支援者

この5人についてのしあわせを実現する会社が「人を大切にする会社」であり、
「日本でいちばん大切にしたい会社」であると、坂本氏は一貫して言われております。

本書はその第3弾です。

坂本氏はこれまで6500社の中小企業を訪問し、そのうちおよそ1割の企業は、好不況にかかわらず、業績がほとんどぶれていないことに気づかれました。

売上高対経常利益率が長期にわたり、5%以上を持続しているということです。

それらの企業は景気に関係なく、景気を超越し、自ら景気を創造している企業だと言われています。

その背景に、上の5人の人を大切にしている、しあわせにしているというマネジメントの土台があることが共通点としてあるとのことです。

従業員第一、顧客第二主義のサウスウエスト航空の経営に衝撃を受け、日本で見つけたのが、この
「日本でいちばん大切にしたい会社」でした。

私はこれからの企業経営の答えは、ここにあると信じております。

今回もすばらしい企業が7社紹介されております。

単行本というよりは、シリーズを購読している感じで3冊目も拝読させていただきました。

 

(1)まごころはがき

お年より向けの転ばない靴作りをしている徳武産業株式会社のお客様サービスに、「まごころはがき」があります。
身内、知人と接する機会が少ない高齢者に自分たちが子供や孫のような気持ちになって、心をこめて書くはがきです。
徳武産業から発送されるどの靴にも、このはがきは同封されています。
字が下手でも、文章が下手でもいい、社員それぞれの思いを託します。
アンケートに返送してくれたお客には、誕生日メッセージとプレゼントを贈っています。
そのカードを心待ちにしている高齢者は多く、それに対する礼状は毎日のように届きます。
「サンキューレターは全社員に回覧し、特に心あたたまるお手紙、参考にしたいお手紙にふせんを貼っているのです。」

(2)利益は革新料・リスクを克服するための原資

「理想のタクシー会社をつくる」と決心し、「お客様第一」「タクシーの仕事は人の人生に触れる仕事」の理念に基づいて、数多くのファンを得ている長野県長野市の中央タクシー株式会社。
中央タクシーの経営理念は、「お客様が先、利益は後」です。
お客さまとは、

自分以外のすべての方
・われわれの生活を支えてくださる方々
・われわれの足りない部分を教えてくださる人生の師

と、定義しています。
また、利益については、

・利益の本質は革新料である
・利益はわが社の真心と力の限りを尽くして、

お客さまにお使いした結果ちょうだいする心からの満足料である

・利益は周到な計画と強固な意志によって拡大する
・利益はわが社に集うすべての人々、そしてわが社を

取り巻くすべての人々にとって福祉の源泉である

・利益はわが社が将来に向かってますます拡大発展し、

しかもその道程で遭遇するリスクを克服するための原資である。
さらには「憲章」として、

「われわれは長野県民・新潟県民の生活にとって必要不可欠であり、さらに交通弱者・高齢者にとってなくてはならない存在となる。私たちはお客さまにとって、いつまでもこのうえなく、なくてはならない人としてあり続け、この人がいてくれて本当に助かりますと、思わず涙とともに喜んでいただける。わが社はそんな人々によってのみ構成されている会社です」
とあります。

 

(3)役員と社員を結ぶ「今週の気づき」

MEBOで親会社から完全独立し、「会社は社員のものであり、お客さまのものである」という理念のもとで経営する株式会社日本レーザー。
「今週の気づき」は社員のモチベーションを上げる一つのしくみです。
「今週の気づき」とは、毎週末に、内勤ならデスクトップのコンピュータから、営業と技術ならモバイルから、自分の上司、担当役員、そして社長あてにメールを出すというものです。
40名ほどなので、毎週40通のメールが社長のところに来ることになります。
内容は、仕事のこと、家庭や趣味のこと、気づいたこと、思いついたこと、イヤだったこと、嬉しかったこと、何でもOK。
「経営理念とか会社の経営方針に関係するようなことを書いてきたメールは、全社員にCCで送ります。私が言うより、『社員が言ったことに、社長がこう答えているのだ』ということを知らせたほうが、効果があることがわかったからです。
大事なのは必ず返事を書くことです。その結果として、ここ数年間、土日のうち必ず一日はこれでぜんぶつぶれるようになりましたが」
現在は、部課長に対しては担当役員から、一般の社員については部長から返信するようにしましたが、そのすべてが社長にCCで届きます。
「社員が一生懸命書いたものについては、私(社長)が全員の参考のために流します。社長がこれをやめてしまっては絶対にいけません。『社長が全部見ている』ということが、みんなにわかりますから」

●「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞

冒頭の5人の幸せに関する企業の表彰制度がこれまでなかった点に着目し、不況のたびにリストラを繰り返している企業、あるいは、わずか1.8%という障がい者法定雇用率をも順守していない企業が表彰を受けているのをおかしいと坂本氏は感じておられました。

そこで、「日本でいちばん大切にしたい会社」をきっかけに、「人を大切にする企業」を表彰する制度を設けようということで、日刊工業新聞社、あさ出版、法政大学を主催者、経済産業省など産業支援機関の全面的な支援と強力を得て、「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞という表彰制度が創設されました。

表彰制度ができると、「人を大切にする企業」を目指す経営者の具体的な目標にもなり、大きくとりあげられることで認知度もさらに高まります。この坂本氏の行動力には頭が下がる思いです。

私も支援企業がこの表彰を得られるようにさらに研鑽していかねばと思いを新たにしました。

 

【目次と注目ポイント】
はじめに

プロローグ 心を打たれた三通のメール

大切にしたい会社1
高齢者の方々の無数の「ありがとう」をいただく奇跡の靴メーカー
徳武産業株式会社(香川県さぬき市)

大切にしたい会社2
理想を求めて「しあわせを乗せる」タクシー会社をつくりあげる
中央タクシー株式会社(長野県長野市)

大切にしたい会社3
MEBOで親会社から独立会社の理念は「すべては社員のために」
株式会社日本レーザー(東京都新宿区)

大切にしたい会社4
精神障がい者の方々と働く場との「つながり」をつくる
株式会社ラグーナ出版(鹿児島県鹿児島市)

大切にしたい会社5

障がい者の雇用に力を注ぐ、日本でいちばん大きなはんこ屋さん
株式会社大谷(新潟県新潟市)

大切にしたい会社6
社員、地域、お客さまにやさしい会社は不況下でも高成長
島根電工株式会社(島根県松江市)

大切にしたい会社7
東日本大震災―ご遺体の仮埋葬・掘り起こしで人間の尊厳を守りぬいた葬儀社
株式会社清月記(宮城県仙台市)

 

【今回の一冊】
◆タイトル:日本でいちばん大切にしたい会社3
◆著者:坂本 光司
◆出版社:あさ出版
◆ページ数:257

 

【おすすめ度】(5段階)
●総合 ☆☆☆☆☆
●読みやすさ ☆☆☆☆☆

 

【編集後記】
おかげさまで100冊達成できました。
2009年1月からなんとなくはじめて、3年ちょっと、この過程で、書き方も途中で変わり、取り上げるテーマも変化しつつあると実感しております。

今後は読者の方とSNSを活用した双方向でのコミュニケーションもできたらいいなとも思っております。
その第一歩としてTwitterとFacebookページをご案内させていただきます。

◆フェイスブックページ

◆Twitter

次回は101冊目。新たな出発点として歩んで参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。

【目指せ100冊レビュー!】
今回で100冊目です。

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