10連休が年4回、全員にi-phone支給で売上が毎年140~200%

【こんな方にオススメ】(5段階)
●社員満足経営を具体的に学びたい ☆☆☆☆☆
●社員の定着率を高めたい ☆☆☆☆
●ITで業務効率化するツールを学びたい ☆☆☆☆

 

【感謝】
読者のみなさまへ
いつもありがとうございます。
今年の8月は暑かったですね。
お盆期間中に何のために仕事をしているのかの原点を考えました。

【今回のテーマ】
社員満足第一経営

【今回の一冊】
◆タイトル:『日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方』
◆著者:EC studio代表 山本 敏行
◆出版社:Softbank Creiative
◆ページ数:230

【レビュー】

●しないこと14カ条

1 インターネットを活用できないことはしない
2 株式公開しない
3 他人資本は入れない
4 経営理念に共感いただける会社としか取引しない
5 経営理念に沿わないビジネスはしない
6 特定の組織に所属しない
7 社員をクビにしない
8 売上目標に固執しない
9 サービス向上に妥協しない
10 守りに入らない
11 高価格なサービスは提供しない
12 会社規模を追求しない
13 日本にプラスにならない事業はしない
14 日本市場だけにとらわれない

よく、「会社としてこういうことをやろう、目指そう」というクレド=行動信条を決めるという話を聞きます。
もちろん、それも大事です。
でもECスタジオでは、それと同じくらい「するべきでないことは何か」という、会社としてしないことを明確にするのも重要だと考えています。
しなくていいことが明確であれば、思っている以上に社員にプラスになるのです。
「会社に電話がない!顧客に会わない!10連休が年4買い!全社員にiPhoneを支給している!プレイステーションで取引先とテレビ会議をしている!」
よくこんな風に言われるというECスタジオは、中小企業の経営のIT化を支援している中小企業です。

創業メンバーが次々にやめていく設立当初の失敗から、山本社長は1000人の経営者に教えを請い、うまくいっている経営者の話から、

1.社員のために自分の時間を使っている
2.社員についての愚痴や不満を言わない
3.自分の会社、自分の社員のことを楽しそうに話す

以上の3点、うまくいっている会社の経営者は、まず、自分の社員のことを第一に考えている気づかれました。

「利益ではなく社員第一」に転換した会社が社員が満足する会社の働き方、そんな会社の作り方を惜しげもなく紹介されているのが本書です。
中小企業で社員を大切にした新たな会社の在り方を考えている方、社員を大切にすることの大切さに気づかれた方に特におすすめの一冊です。

(1)ゴーホーム制度

「仕事ができているのは家族や身の回りの方のおかげだから大切にするように」
と言ってはいるものの、北海道や九州出身の社員は、確かに帰省しにくいのも理解できます。
そこからできたのが「ゴーホーム制度」です。

<ルール>
出社しているオフィスから半径140km以上実家が離れている場合、年2回まで、そのつど1万4000円(配偶者がいる場合は2万8000円)を支給する。
配偶者の実家が140km以上の場合も同様に支給する。
交通費が1万4000円以下の場合は該当額を支給する

<会社側のメリット>
親に安心してもらえ、会社を応援してもらえる。
社員の持ち帰るお土産で休暇明けのオフィスが盛り上がる。

<社員側のメリット>
親族や友人と良好な関係を維持することができる。

 

(2)バースデー制度

仕事に打ち込めているのは決して自分の力だけではなく、家族やパートナーのおかげであるということから、社員のパートナーが誕生日の日に食事代を支給するバースデー制度があります。
会社主催の飲み会にパートナーも参加することによって、社員もパートナーを飲み会に連れて行くきっかけになりますし、会社側としてもいつも支えてくれているパートナーに直接感謝の気持ちを伝えることができます。
パートナーも間接的に会社のことを聞くだけでなく、雰囲気を直接知ることができ、自分の誕生日にご馳走を食べることもできます。

<ルール>
過去1年間に会社主催の飲み会にパートナーが参加していること。
1回の誕生日当たり1万4000円のバースデー手当を支給。

パートナーが代わった場合でも支給は1年に上限1回まで。

 

(3)長期休暇制度

当初は週1日だけの休日で、有給休暇は取れない状態でしたが、ITを活用して効率化し、いつでもどこでも働けるような仕組みを構築して、現在は有給休暇を100%消化し、長期休暇を取っても問題ない体制ができました。
現在ではECスタジオは10日間の長期休暇を年に4回確保しています。
年間の休日は140日以上で、この休暇水準は大企業並みになります。
毎年の長期休暇で社員が世界中に旅行に行くので、日本だけの価値観で凝り固まっていた発想が柔軟になり、帰ってきてからの土産話もとても盛り上がります。

●社員満足と数値の成果を両立

いくらモチベーションが高い社員を採用しても、利益が出ていない状態が長く続くとモチベーションは下がっていきます。

社員が頑張る → 利益が増える → 給料が増える → モチベーションが上がる
という好循環のスパイラルを起こす必要があります。

財務では

・売上を粗利で計上し、社員が売上高の成長によって、利益の実態を見失わないこと
・税金をたくさん払い、内部留保が企業の保有する

余裕資金として蓄積していることで、ビジネスの調子が良くない時や、景気が悪いときに内部留保を切り崩して乗り切ることができます。

※税金を払わないことよりも、新規所業に力を注いで売上利益を増やし、社員に還元することを意識

・キャッシュフローを重視
・同じ対価しか得ることができない「家賃、光熱費、サーバー代」

などは徹底的に抑え、コストを投資すれば伸びる可能性があるものには投資する。「給料、教育、パソコン環境、オフィス環境、宣伝広告費、外部コンサルティング」など。

・3ヶ月に1回、経費の大掃除

社員満足だけでなく、財務基盤を盤石にする取り組みも上記のようにされています。
筆者に見習うべきこととして、非常にオープンスタンスです。
外部に対しても情報を公開されていますし、1日体験といった制度もあります。
ITツールの活用まではご紹介できませんでしたが、本当に具体的にソフト名まで紹介されており、とても参考になります。
社員満足経営については、具体的な制度よりも、その根幹にある考え方が大事です。
その思想の元で、出てくる具体策は会社の状況等によってさまざまだと思います。
「社員が満足していない会社は顧客を満足させることはできない」
この考え方につきます。まず自分と内側が満たされていないのに、外部を心からの笑顔にすることは、プライベートにおいても同じように感じます。

 

【目次】
はじめに
第1章 「社員第一主義」の非常識な働き方
第2章 社員の満足度がアップする非常識な制度
第3章 小さな会社が成功するための非常識な戦略
第4章 小さな会社の利益を増やす3つのIT戦略
第5章 モチベーションと利益が劇的に高まるITツール活用法
おわりに

<追記:いいなと思ったITツール>
・Gメール
・Googleカレンダー
・Googleドキュメント(フォーム機能)
・Googleビデオ(動画共有)
・ザクティ(コンパクト・クイックタイム・ACアダプターで長時間録画)
・スカイプチャット
・携帯メーリングリスト
・デュアルモニター
・イーブースター(パソコン高速化)
・マインドマネージャー(マインドマップ)
・カムタジアスタジオ(動画マニュアル作成)
・ログミーイン(パソコン遠隔操作)
・チームビューアー(相手のパソコンを遠隔操作)
・キングソフトオフィス(マイクロソフトオフィスの代替)
・ロボフォーム(ログイン・パスワード強化)
・アクロニストゥルーイメージ(5分毎のパソコン自動バックアップ)
・ライブメッシュ(異なるパソコン間の指定フォルダを自動で同期)

【今回の一冊】
◆タイトル:『日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方』
◆著者:EC studio代表 山本 敏行
◆出版社:Softbank Creiative
◆ページ数:230

 

【おすすめ度】(5段階)
●総合 ☆☆☆☆☆
●読みやすさ ☆☆☆☆☆

 

【関連リンク】
株式会社EC studio ※ChatWork株式会社に社名変更
社長ブログ
ChatWork株式会社 見学研修会
【他のブロガーさんの本書レビューを読む】
書評ページ紹介「日本で一番社員満足度が高い会社の非常識な働き方」

”More Japanese Than Japanese”さん
”SEM-LABO”さん
”新社会人のビジネス書ブログ”さん

【編集後記】
ひさびさに”社員満足”がテーマの本をご紹介させていただきました。大阪の吹田ということで、
一度行って見たいとも思いました。
かんてんパパガーデン(伊那食品工業)に実際に行った時も感動しましたし、鉄道員(ぽっぽや)のロケ地に行った時も感動が蘇りました。
何のために中小企業支援をしているのか、この仕事をしているのか、初心を思い起こさせていただきました。

【目指せ200冊レビュー!】
今回で135冊目です。

丹波経営研究会