社員が活き活きしていない10の理由『モテる会社』
小さいけれどみんなが好きになる
【こんな方にオススメ】(5段階)
●営業なしでお客さんがどんどん来る会社にしたい ☆☆☆☆☆
●従業員とその家族をもっと大切にしたい ☆☆☆☆
●「日本でいちばん大切にしたい会社」に感銘を受けたが、具体的にどうすればそんな会社になりたいか知りたい ☆☆☆☆
【感謝】
読者のみなさまへ
いつもありがとうございます。
先日、静岡で鰻の店につれていっていただきました。
静岡の人は、スーパーで鰻を買うくらいなら、おいしいお店に食べに
行くそうです。
実際に行って、聞いてみることでわかりました。
【今回のテーマ】
中小企業経営
【今回の一冊】
◆タイトル:モテる会社
◆サブタイトル:小さいけれどみんなが好きになる
◆著者:川上 徹也
◆出版社:あさ出版
◆ページ数:238
【レビュー】
●モテる会社とは?
モテる会社とは、簡単に言うと、
「お客さんが思わず好きになる会社」
です。
「従業員が『この会社で働いていてよかったな』と思う会社」です。
「取引先が『一緒に仕事したいなあ』と思ってくれる会社」です。
「社会から『あの会社、何かいいよね』と言ってもらえる会社」です。より具体的にいうと、以下のようなイメージです。
・営業しなくてもお客さんの方からやってくる会社
・お客さんや取引先がファンになり応援してくれる会社
・無理な価格競争をしなくてもお客さんが商品やサービスを買ってくれる会社
・「働かせてください」という人がどんどんやってくる会社
・従業員の目が輝いてイキイキしている会社
・従業員が働いていることを誇りに思う会社
・社長が従業員から慕われている会社
・職場の雰囲気がご機嫌な会社
・「一緒にビジネスをしたい」という企業が次々やってくる会社
・「メディアから取材させてください」とお願いされる会社
・「社長のお話を聞きたい」と講演依頼がやってくる会社
・無理はしていないけれど適度に儲かっている会社
本書は、実際モテている会社の共通点を洗い出し、モテる会社の10カ条プラス1にまとめたものです。
想定してる会社の規模は従業員数人から百人程度のいわゆる”小さな会社”です。
優先順位を守り、この10カ条を満たすように実践していけば、その会社も1年後にはかなりモテる会社になっているはずとのこと。
本ブログで紹介している「日本でいちばん大切にしたい会社」に目指す会社の形としては共通点が多い内容です。
同じように具体的な事例が多く紹介されています。
また、実践するための具体策が書かれている点が注目すべき点だと思います。
(1)従業員やその家族を大切にしている
お客さんと直接接するのは、従業員。
彼らがイキイキと働いていないことには、お客さんに満足してもらうことはできません。
つまり、従業員を大切にすることが結局はお客さんを大切にすることにつながるのです。
大阪府吹田市にある「ECスタジオ」は、中小企業のIT化を支援する社員30あまりの会社です。
「社員第一主義経営」を掲げ、従業員を手厚く支えているユニークな経営手法が、最近、注目を浴びています。・社員数は40名まで、売上目標は4億円までと上限を設定
→それ以上の拡大は従業員の幸せに繋がらない・定期的に面談し、本人がやりたい仕事をヒアリング
→経営理念、経営ビジョンに沿っていれば、新卒・アルバイトにかかわらず大きなプロジェクトを任せることもある・上司とのランチは会社がランチ代を支給する「ランチトーク制度」
・原則21時には会社を出る「強制退勤制度」
・海外旅行に行くために1年に4回10連休が取れる「大型連休制度」
・仕事に集中できるのは、家族やパートナーのおかげであるという観点から、パートナーの誕生日に食事代1万4千円を支給する「バースデー制度」
・実家が遠方にある社員に対し、年2回まで帰省を補助する「ゴーホーム制度」
ECスタジオは、2年連続「日本日社員満足度の高い会社」に選ばれました。(by リンクアンドモチベーション)
(2)お客さんとのコミュニケーションを重視する
お客さんとのコミュニケーションをうまくすることは商売の基本。
モテる会社のコミュニケーション3原則1.接点を増やす
2.コミュニティを作る
3.期待以上の驚きを与える
東京都中野区の「柴田屋酒店」は、コミュニティを作ったことで、成長し、注目されている会社です。「酒屋として得意先に提供できることは何か?」
→飲食店は他店の情報をほしがっている(アンケートを実施し、ニーズをつかんだ)『KODAWARI通信』という月間のニュースペーパーを発刊。
いろいろな飲食店のメニューやサービスを記事に。
「繁盛店勉強会」というコミュニティを結成。
繁盛店の紹介、講師を招いての勉強会、新商品の試飲会を実施勉強会の参加者はどんどん増え、自社だけでは難しくなり、「NPO法人 繁盛店への道」へと発展。
現在全国各地に支部を持つまでになり、2005年日本一のサーバーを決める「S1サーバーグランプリ」などのイベントも開催。
大きなコミュニティの中心にいる「柴田屋酒店」は、全国の飲食店から注目される特別な存在に。
(3)誰かに話したくなるストーリーやエピソードが豊富
アメリカの靴通信販売「ザッポス」の有名なエピソードある女性が寝たきりの母親のために靴を注文した。
しかし、サイズが合わなかったので返品すると連絡を入れた。そんな折り、母親の病状が急に悪化し、そのまま亡くなってしまう。
あまりのことに、彼女は靴の返品のことなど、すっかり忘れてしまっていた。
彼女は母親が亡くなったという事情を書き、必ず靴は送り返すからもう少し待っていてくれと返信した。
ザッポスは返品にかかる送料は無料だが、荷物は集荷場まで持っていかなければならないシステムなのだ。
間をおかずザッポスからきた返事には
「ご事情はわかりました。返品の件はご自宅まで取りに伺うので大丈夫です」
とあった。その女性は、ルールを曲げて対応してくれたザッポスに感謝した。
しかし、本当に驚いたのは翌日だった。
なんとザッポスから、お悔やみの花束とメッセージカードが送られてきたのだ。
このエピソードを彼女がブログに書いたところ、またたく間に転用され、ネットで広がって
いきました。それから何年も経った今でも、企業から発信したものではないのに、ザッポスを語る時は必ずといっていいほど、このエピソードが出てきます。
「お客さんにWOWを届ける」
「幸せを届けるのが私たちの仕事」と理念をいくら語っても、それだけではなかなか真意は伝わらず、人々の心に響かないでしょう。
しかし、先ほどのストーリーを聞くことで、ザッポスがどういう会社なのかイメージが湧き、心や記憶に残るのです。
●従業員がイキイキしていない理由
・従業員たちは、本当に自分たちが会社から大切にされていると思っていますか?
・会社がお客さんから忘れられた存在になっていませんか?
・周りから不誠実な会社だと思われていませんか?
・地域や社会から何か感謝されたことはありますか?
・その商品やサービス、どこにでもあると思われていませんか?
・会社の説明に1分以上かかっていませんか?
・社外で語っている「志」と、社内での従業員に対する態度がズレていませんか?
・抽象的な理念は立派だけど、「具体的には?」と聞かれ、答えに詰まっていませんか?
・ブスッと無愛想な会社になっていませんか?
・社長の情熱だけが空回りしていませんか?
上記質問で、改善すべき点があるのであれば、本書は一読の価値ありと思います。
本書は、理論編、実例編、実践編の3部構成となっています。
理論編で、モテる会社とはを理解し、実例編で、実際にモテている会社の事例を学び、実践編で、ここでも具体的事例を学びながら、
どのような取り組みを行うべきかを10カ条それぞれにわかりやすくポイントがまとめられています。
モテる会社になりたい方は、ぜひ一度読んでみてください。
【目次と注目ポイント】
はじめに
第一幕 理論編「モテる会社」とは、どんな会社?
・モテる会社の10カ条プラス1
・コミュニケーションの基本は1対1
・三つの”ワン”が独自性を作る
第二幕 実例編「モテる会社」とは、こんな会社
●ハートフルタクシー
日本一「思いやり」「やさしさ」に溢れたタクシー会社
●MaCO
利用者も社員もイキイキできる介護施設
●パール幼稚園
ファンがどんどん生まれる幼稚園
●長崎書店
人、本、情報が集まる街のコミュニティ書店
●トレンド・プロ
ファーストワンからナンバーワン、そしてオンリーワンの製作会社
第三幕 実践編「モテる会社」の作り方
●サウスウエスト航空
「顧客第一」から「従業員第一」は世界的な流れ
●ECスタジオ
「やらされる仕事」より「やりたい仕事」を
●物語コーポレーション
一人ひとりと向き合い認めることで、従業員を大切にする
●亀田メディカルセンター
最高の能力を発揮できる環境を作ることで、従業員を大切にする
●井戸書店
接点を増やしてモテる会社になる
●カーブス
ちょっとした声かけでモテ効果大
●柴田屋酒店
コミュニティ作りは、持てる会社への道
●ザッポス
期待値以上の驚きを与えてモテ続ける
●でんかのヤマグチ
裏メニューでモテる電気店
●オーケーストア
情報の透明性で信頼を得る
●信越化学工業
不祥事・事故を起こした時こそ会社の姿勢が問われる
●ぎゅーとら
自分たちのダメな部分をお客さんから教えてもらう
●カスタネット
社会貢献中心にシフトして蘇った会社
●大里綜合管理
事業と社会貢献を一体化する
●Mランド
技と共に心を磨く自動車教習所
●ネットオフ
宅配買取から、世界を変える会社
●中央タクシー
ストーリーで理念が納得できるようになる
●LUSH
ギャップを生み出すためにツンデレ効果を使う
●モテる会社化プロジェクトロードマップ
おわりに
参考文献
【今回の一冊】
◆タイトル:モテる会社
◆サブタイトル:小さいけれどみんなが好きになる
◆著者:川上 徹也
◆出版社:あさ出版
◆ページ数:238
【おすすめ度】(5段階)
●総合 ☆☆☆☆☆
●読みやすさ ☆☆☆☆
【編集後記】
従業員第一主義、従業員満足度を第一にという考え方は、これからのマネジメントの新しい流れではないかと個人的に考えています。
また、このような経営を実践している会社はすでにいっぱいあるんだなと感じているこの頃です。おそらく、私が見えていなかっただけですね。
【目指せ100冊レビュー!】
今回で83冊目です。
この記事へのコメントはありません。