何のために働くのか?『君が働く理由』
【今回のテーマ】
モチベーションUP
【今回の一冊】
◆タイトル:『君が働く理由』
◆著者:福島 正伸
◆出版社:中経出版
◆ページ数:222ページ
◆2011.6.25
【こんな方にオススメ】(5段階)
●何のために働いているのかを考えたい ☆☆☆☆☆
●最近仕事がつまらない ☆☆☆☆
●仕事が作業に感じている ☆☆☆☆
【レビュー】
●失敗するほど「元気になる」考え方
「不可能を可能にした人、全員に会ってみよう」と決めて、私は人に会いはじめました。
すごい方にお会いしました。その人は、
「福島さん、失敗ばかりしていると、人生が楽しくなるだろう。」
と言うのです。
「だって君、失敗したら、その原因を探ればいいだろう。そうすれば、次はどうしたらうまくいくか、ノウハウが見つかるじゃないか。そうしたら、次のチャレンジの成功確率は高くなっているよね。そうすると、次に挑戦したくなるじゃないの。それでまた失敗してごらんよ。またノウハウがたまるよ。さらに成功確率が高くなるんだよ。さらにまた、失敗してみろ。どんどんノウハウがたまって、いつか世界一になっちゃうよ!」
だから、失敗するほど「元気になる」というのです。
経営や仕事がうまくいかなくなると、ついつい不況や地域経済の衰退といった自分以外の何かに責任をおしつけてしまいます。
そうではなく、最近チャレンジしているだろうか、失敗しているだろうかとまず自問自答することが大切ですね。
このすごい人の発想を当たり前に考えるようになれば、どんなことでも成し遂げられそうです。
本書は一言でいうと、元気が出る本です。
「まだまだ人生も仕事もこんなもんじゃない。」
と前向きな気持ちにさせてくれる物語がたくさん紹介されています。
仕事や人生に行き詰った時に読むと、大変勇気づけてもらえる1冊です。
(1)制約条件とは成功条件
当時私には、3つの制約条件があったのです。
お金がない、売上が落ちる、会いたい人に会えない。
そのときは、制約条件とは何か、をよく考えてみました。私は、
「何々がないからできない」
と言っている。
「そうか、常識的なやり方でやるとできないということだ。他の人でもできるやり方でやろうとしているだけなんだ。そうではなく、他の人が思い付かないやり方を探そう。常識的でないやり方を探そう!」
つまり、制約条件があるときは、新しい方法を見つけるしかないということです。
ということは、成長しかできなくなります。
「制約条件とは、成功条件だ!」
と興奮しました。
こう考えると、世の中にできないことはなくなりそうです(笑)。
私自身、共働きで、子どもが小さいということで、働く時間の制約がどんどん大きくなってきています。
この制約条件を成功条件として、今何ができるのか。
これをもっと深めていきたいです。
(2)毎日は幸せと感動に満ち溢れる習慣
「ありがとうございます」という言葉があります。
とても簡単な言葉ですが、この「ありがとうございます」を1日百回言える人は、必ず幸せになってしまいます。
なぜならば、何かありがたいことを見つけない限り、「ありがとう」と言えないからです。
「ありがとう」と言われた人もうれしいし、「ありがとう」と言う人もうれしいのです。
同じように、感動することを見つけ出そうとすれば、毎日が感動でいっぱいになっていくことでしょう。
私は日々の感謝、日々の感動がとても大事だと思っています。
喫茶店に入ってイスに座っただけで、「イス、ありがとう」、
水が出たら「お水、ありがとう」、ケーキが出たら、「ケーキ、ありがとう」。
喫茶店に入って出てくるだけで20回ぐらい「ありがとう」と言えてしまうようにもなるでしょう。
これはとても素晴らしいことだと思います。
ただ生きているだけなのに、毎日が幸せに満ちあふれてしまうのですから。
「ありがとう」という言葉がまだ足りていないのではないかと反省しました。
自分のとらえ方、考え方を変えるだけで世界は素晴らしいものに変わるということですね。
私の場合は、本書をきっかけに家庭内での「ありがとう」をもっと意識するようにしました。
そうすると、前よりも居心地のいい空間になっていくことに気づきました。
(3)駅前でティッシュ配り、スーパーのレジ打ちの仕事が夢?
ある中学校の卒業記念講演に呼ばれた時、
子どもたちが書いた夢を読んでいるうちに、がく然としてしまったのです。
「駅前でティッシュ配りがしたい」
「スーパーでレジが打ちたい」
「猫になりたい」
そんな夢が、いっぱい書いてあり、私は、はっ!としました。
「何で私は、駅前でティッシュを配る仕事を、夢にできなくなっているんだろう?」
講演後、体育の先生が教えてくれました。
「子どもたちは、笑顔で仕事をしている大人を見ると、その大人がやっている仕事を夢にするのですよ。きっと駅前で、笑顔でティッシュを配っている人たちがいたのではないでしょうか。スーパーで、笑顔でレジを打っている方々がいたのではないですか。だから、子どもたちはその人たちの仕事を夢にしたのです。きっと、笑顔で、猫が道を歩いていたのではないですか」
どんな仕事も笑顔ですれば夢になるのだと気付かされました。
スタッフが心から楽しそうに働いているお店にはまた行きたいなと思います。
本書は別のところで、「子どもに勉強をさせるには、まずは親が仕事を心から楽しんでいることをアピールし、そのような仕事ができるようになるには勉強をすることだと伝えることだ」というお話もありました。
本当に良い会社は、経営者や社員の子どもが入社したいと自発的に言ってくれる会社だと思います。
そのためには仕事も家庭も充実して活き活きしており、子どもとの時間も十分に取れる必要があります。
このお話も、自分の生き様を考えさせられるものでした。
●地域や商店街の活性化で一番大事なこと
黒川温泉は、ほとんどお客さんが来ない、ひなびた温泉街でした。
そのようなとき、ある旅館のオーナーが、
「もう(黒川温泉の旅館内の)競争はやめよう。(町の景観を顧みない)看板をはずそう。助け合おう。」
と言い始めました。その旅館のオーナーは3年半かけて1人で裏山を掘り抜き、
「1人の人間が、手で掘りぬいた洞窟風呂」
をつくりました。1マスコミに取り上げられ、日本名湯百選にも選ばれて、お客さんが来るようになったのです。
その影響を受け、ほとんどの旅館が協力しあいながら、露天風呂をつくっていったのです。
最後に残った露天風呂をつくるスペースがない旅館2件には、ここのお客さまに、他の旅館の露天風呂を開放することにしたのです。
黒川温泉では、この町に来てくださった以上、どの旅館のお客様も自分たちのお客様だと考えて接してくださいます。
すべての旅館が、競争ではなく、共存して1つになっているのです。
競争しない温泉街、助け合う温泉街なのです。
この温泉街を思い出すたびに考えるのは、地域や商店街の活性化で一番大事なことは助け合う気持ちだということです。
町全体でお客様をお迎えすると、お客様は、「とても気持ちのよい町だな。」「また来たいな。」という気持ちになります。
「助け合う気持ち。」このエピソードはどこかで使わせていただこうと思いました(笑)
また、黒川温泉に泊まりにいきたいと思いました。
私の故郷、大阪府三島郡島本町では今、各所で手作り市が開催されています。
それが12月に、すべての手作り市が合同で同じ日に開催されるようになりました。
また、地域の事業者を集めて、自社の敷地を使ってイベントを行い、にぎわいを創出している企業があります。
これらも共存・助け合いを具現化している事例だと感じました。
競争ではなく、共存・助け合い。これからのキーワードですね。
筆者の書籍は初めてだったのですが、心に残るインパクトがある内容でした。
他の書籍もまた拝読したいと心から思いました。
人と会うこと、本を読むことを筆者は推奨されています。
きっとこの本を通じて、見えている景色が変わった方が多いことでしょう。
【目次】
はじめに
25のメッセージ
おわりに
【今回の一冊】
◆タイトル:『君が働く理由』
◆著者:福島 正伸
◆出版社:中経出版
◆ページ数:222ページ
◆2011.6.25
【おすすめ度】(5段階)
●総合 ☆☆☆☆☆
●読みやすさ ☆☆☆☆
【関連書籍のレビュー記事】
遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る『仕事はたのしいかね?』
→根底の思想は共通するものがあると感じました。
こちらも全体が会話形式で楽しく読めます。
●「きみたちの事業は、試してみた結果、失敗に終わったんじゃない。試すこと自体が欠落してたんだ」
(1)昨日の目標は今日のマンネリ
(2)遊び感覚で色々やってなりゆきを見守れ
(3)完璧とはダメになるための第一段階
●人は変化は嫌い。でも、試すことは大好き
【関連記事】
【関連サイト】
【編集後記】
初心に返る本、時々出会います。
きっとそれは初心を忘れかけた時に、心がサインを送っているのですね。
【メールマガジンは2016年で終了。2017年から本ブログは不定期に】
業務全般の見直しの結果、
2017年からは本の紹介ブログは
不定期とさせていただくことにしました。
本の紹介以上に、現場を通じて学んだことなどを
ブログで更新していく方針にします。
もちろん読書はずっと続けていますし、
今後も「これは!」というものは紹介していきます。
同時にメールマガジンは2016年を持ちまして
終了させていただきます。
長い間の購読ありがとうございました。
【目指せ300冊レビュー!】
今回で212目です。
【最新の書籍紹介はこちらで掲載しています】
【過去の書籍紹介はこちらのブログに書いていました】
【おわりに】
最後までお読みくださりありがとうございました。
今後とも引き続き、よろしくお願いいたします。
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