コミュニティ・マーケティングとは?『Facebookで集客・売上をアップする方法』
【今回のテーマ】
Facebookでコミュニティ・マーケティング
【今回の一冊】
◆タイトル:Facebookで集客・売上をアップする方法
◆著者:田代 政貴
◆出版社:ソーテック社
◆ページ数:239
◆2014.12.31
【こんな方にオススメ】(5段階)
●お店・会社のファンと楽しく事業をしたい ☆☆☆☆☆
●共通の趣味・関心からゆくゆくはビジネスへつなげたい ☆☆☆☆
●フェイスブックを上手に活用したい ☆☆☆☆
【レビュー】
●コミュニティ・マーケティングとは?
従来のマーケティングでは、まず最初に商品やサービスを消費者に「認知」してもらいます。
次に、商品やサービスと消費者の「関係性」を築きます。
そして、商品やサービスが信頼を得られれば、購入につながります。
「認知」→「関係性」→「信頼」→「成約」
コミュニティでは趣味、地域、想いや目標など、共有できるもののために人が集まっています。
コミュニティ・マーケティングは最初に「関係性」から始まります。
「関係性」→「認知」→「信頼」→「成約」
はじめてのお客様のところに訪問販売に行くよりも、知っている人のところに行ったほうが成約率は高いでしょう。
ここでは、自分が何者であるのか?
何のビジネスをしているのか?
をしっかり知ってもらうためのブランディングが重要になります。
私は「社会に対する役割を発信しつづけ、認識して選んでもらうこと」をブランディングと呼んでいます。
コミュニティをベースにビジネスに取り組むという考え方が今後ますます増えてくるでしょう。
とくに個人事業主や中小企業の場合、人とのつながりがそのまま会社の利益に直結します。
たった一人と出会い、意気投合し、お互いのビジネスの強みと弱みを打ち明けただけで、簡単にジョイントベンチャーが実現できてしまう時代になってきているのです。
以前、mixiのコミュニティで近隣のMr.Children好きで気が合いそうな人に声かけをして、カラオケを企画して実現したことがあります。
なかなか最初は勇気がいりますが、主催者としてミスチル好きによるカラオケが実現したことの感動は非常に大きいものがありました。
ビジネスにおいても、上手に自社や自店のファンを集めるコミュニティをつくって、お客様とともに楽しく成長している企業があります。
例えば、スノーピークは「スノーピークウエイ」という社員とユーザーが一緒になってキャンプを楽しみながらアウトドア製品について、ユーザーの意見を聴き、新商品開発に活かされています。
<スノーピークウエイ>
本書はFacebookをコミュニティづくりのツールと位置づけ、個人や会社のコミュニティをいかにつくり、どうビジネスにつなげていくかがとても具体的に書かれています。
まず人間関係をつくるこのコミュニティ・マーケティングの手法はSNSのインフラが整ってきた現在においてますます重要性を増してくるのではないでしょうか。
(1)コミュニティ内で物々交換・等価交換
コミュニティのメンバーが増えるといろいろな業種の仲間ができてきます。
何かわからないことがあったり、専門知識が必要になった際にも、気軽に聞ける仲間に恵まれるようになります。
さらには物々交換や、スキルなど等価交換が行われるようになることもあります。
たとえば、コンサルタントと整体師の場合であれば、ビジネスのアドバイスをする代わりに体のメンテナンスをしてもらえたり、農業をしている人と美容師がそれぞれ野菜やお米を提供する代わりに髪を切ったりといった等価交換です。
もちろん同じくらいの価値でお互いのニーズが合致することが必要ですが、そうするとお金がかからずに求める生活環境も整っていきます。
様々な背景を持つメンバーと何でも相談し合えるコミュニティを独自に持つことができれば、大きな強みになります。
田舎に引っ越して、食事をご馳走していただく代わりに、ホームページについてわからない点をお教えしたりといった近所付き合いができるようになりました。
中小企業診断士と一言で言っても、ITに強い方、事業再生が得意な方、製造現場の改善に強い方、営業が得意な方など、それぞれの得意分野は様々です。
ここでもネットワーク、コミュニティを形成していることが大きな強みになります。
(2)顧客コミュニティと潜在顧客コミュニティ
有料コミュニティと少額課金制のコミュニティは会員制の「顧客コミュニティ」と言えます。
それに対して、趣味のコミュニティや自由参加型である程度多くの人数を集める単発会費制コミュニティは「潜在顧客コミュニティ」と言えるでしょう。
この2つのコミュニティを持つことによって、新規見込み客とリピート客の増進、および紹介してもらえるような環境を整えることが可能になります。
はじめてコミュニティ設立を企画するのであれば「潜在顧客コミュニティ」が参加メンバーを集めやすいのでおすすめです。例えば、バイクのパーツショップ経営者が、バイクのツーリングコミュニティを立ち上げるのはどうでしょう。
参加してくるメンバーは全員、自分のショップの潜在的な顧客になります。
バイク店の例は非常にわかりやすい例えですね。
自分の事業と絡むところで、お客様とワイワイ楽しむコミュニティはできないでしょうか。
例えば、ケーキ屋さんがケーキ教室をする、卓球用具屋さんが卓球教室をするなど。
商工会などで、地域の活動・行事に参加するのもコミュニティの一つですね。
即効性はないですが、思わぬところで仕事の相談につながることもあります。
(3)コミュニティの方針を決める
・コミュニティの理念
主催者側は「絶対に曲げられない方針」
参加者には「確実に約束された内容」・コミュニティの環境
社会的なニーズ
主催者自身が理念を実現できる状況か・コミュニティの目標
コミュニティ自体の目標
参加する人の目標・コミュニティの差別化
既存の似たようなコミュニティとの違い・コミュニティのルール
入会・脱退のルール
投稿のルール
宣伝のルール
こういった基本方針を明確に決めておくことは運営する上でとても大切です。
また、いきなり完璧を目指すよりも、運用しながら不具合があれば修正していくという考えで良いのではと思います。
いった、、売上・利益・儲けることを脇に置いて考えた方が良いように思います。
●目標を達成するまでコミュニティを継続する
何があろうと目標を達成するまではコミュニティを継続させると志を立てることが大切です。
コミュニティを継続するためのポイントは「参加者を満足させること」に尽きます。
・楽しさを常に見出すこと(常に新しい企画を考える)
・リアルの場を計画し続ける(次回の予定を決める)
・関わる人に何ができるかを常に考える
・時代の変化に敏感に対応する
「もともと参加したメンバーだけが楽しくしていて初参加の私は全く楽しめなかった。」
「コミュニティの目標があいまいで、参加する意義が見いだせなくなり、足が遠のいてしまった。」
などの理由で、コミュニティが廃れていってしまうことがよくあります。
特に、新しい参加者を加え、その人を既存の方やコアメンバーが一人にさせないこと、つまらなさそうであれば積極的に話をふったり、声をかけたり、メンバーを紹介したりといった細やかな配慮が重要に感じます。
参加者に参加するモチベーションを提供し続けることは非常に大切です。
上記の継続するためのポイントはとても大切だと思います。
しっかりとコミュニティの方針を固め、時には柔軟に見直し、参加者の声を大切に主催者も参加者も居心地のいい空間ができれば、ビジネスも自ずと発展していくように思われます。
【目次】
まえがき
Chapter1 コミュニティがビジネスを変える
Chapter2 タイムラインでの求心力を高める日常の投稿
Chapter3 成長するコミュニティのつくり方
Chapter4 関係性をつくるFacebookグループの運用
Chapter5 実社会で実際にイベントを主催する
Chapter6 一般参加者を巻き込んでイベントを主催する
Chapter7 成長したコミュニティを自身のビジネスに結びつける
【今回の一冊】
◆タイトル:Facebookで集客・売上をアップする方法
◆著者:田代 政貴
◆出版社:ソーテック社
◆ページ数:239
◆2014.12.31
【おすすめ度】(5段階)
●総合 ☆☆☆☆
●読みやすさ ☆☆☆☆
【関連リンク】
今さら聞けないFacebook(フェイスブック)の登録とログインの方法、使い方
Facebookグループの作り方
【編集後記】
フェイスブックグループの活用にいろいろと可能性を感じているこの頃です。
【目指せ200冊レビュー!】
今回で187冊目です。
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