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【書籍紹介】健康

緑黄野菜・海藻・大豆の食習慣が決める『新版 日本の長寿村・短命村』

【今回のテーマ】
健康

【今回の一冊】
◆タイトル:『新版 日本の長寿村・短命村』
◆著者:東北大学名誉教授・医博 近藤正二
付帯報告と解説 萩原弘道
◆出版社:サンロード出版
◆ページ数:179
◆1991.4.1

【こんな方にオススメ】(5段階)
●自分の食習慣を見直したい ☆☆☆☆☆
●健康寿命を伸ばしたい ☆☆☆☆
●長寿村の秘訣を知りたい ☆☆☆☆

 

初回投稿:2016.1.11

更新:2019.12.13

【レビュー】
●長生き村・短命な村になった一番の決め手とは?

「重労働のところは早く老化して長生きをしない」とか
「酒を飲むところは短命で、秋田県の人が日本一短命なのは、ドブロクを飲むからだ」
などとみんなが言うものだから、あるいはそうだろう、と思ったものです。
しかし、そういことを説く人が、実地調査をやっていないのです。
物事は机上で考えて、結論を出してはなりません。
実地に、実例を集めてみなければ結論は出してはいけない、という気持ちで、長生き村と短命村を次から次へと回り、実地にとらえて、一つの結論が出てきたのです。
長生き村になったのも、短命な村になったのも、一番の決め手になる原因は、若いころから、長い間、何十年というあいだ毎日続けてきた食生活があります。
一言で言うならば、そういう結論です。
私自身、食生活は関係ないとは思いませんでしたが、まさか決め手になる原因とは予想していませんでした。

本書は1972年に書かれたものです。
近藤先生は、昭和10年頃から35年以上、全国のあらゆる地方の長生きの人がたくさんいるところと、反対に長生きの人が非常に少ないところを探しました。

そして、現地に行き、なぜこの土地は長生きする人が多いのか、また短命な人が多いのか、その原因を研究された結果が本書に書かれています。
友でありコーチでもある人から、長年、減量に苦戦している姿を見て、とても良かった本として紹介してもらったのがこの本を読んだきっかけです。
ちょうど、年明けであり、何かをリセットする好機ということで、読み始めると夢中になりあっという間に読み終わりました。
それなりに健康に関する本も読んでいるのですが、本書は理屈ではなく、実際に現場を訪問し、現地の人の話を聴き、農作物を見、そこから得た考察です。
近藤先生の思いは、「国民がそろって70歳を超えるまで、健康で自分の仕事をするという国にしたい。」とのことです。
非常に説得力がありました。本書を参考に食生活を改めたいと思います。
この本との出会いに心から感謝です。

(1)お米ばかりたくさん食べていた人は・・・

これは理論ではなく、実例を集めての結論です。
その第一は、若いころから、お米ばかりたくさん食べていた人は、みんな若死にしてしまうということです。
例えば東北地方の米どころの生活ならば、みんなそれです。
特に一番短命なのは秋田県ですが、ここの米どころの人は、白いご飯を大食します。
しかも塩辛い大根の味噌漬け、なすの味噌漬けなどをおかずにして、まっ白いご飯を驚くほど、たくさん食べます。

大のご飯好きの私にとって、大変耳が痛いお話です。

子供の頃からおかわりしまくっていました。

最近はようやく大盛り、おかわりを控えることが増えました。

 

(2)島根県隠岐の島の人は生涯現役

隠岐の島に行きますと、70歳どころではなく、80歳以上の人がたくさんおります。
多分大部分の老人は遊んでいるんだろう。

中には寝たり起きたりで、家族のやっかいになっている人が多いんだろうぐらいに思いながら行って驚きました。

なんと老人がほとんど働いているのです。

「(何歳まで畑仕事をするのか)別にきまった年齢はありません。生きている間は元気に働きます。

長生き村の人は大食いではないが、必ず、毎日魚を食べるか、あるいはさかなの代わりに必ず大豆で作ったものを食べています。
大豆でつくったものとは豆腐とか、納豆とかです。
どんな形でもいいから、大豆製品を毎日食べておれば、必ずしも動物性のものを食べなくても、立派に健康で長生きができることがわかったのです。

大豆製品は幸い大好きです。

枝豆、豆腐、納豆どれも好んで食べています。

魚を食べる機会がやや少ないと反省しました。

 

(3)野菜の中でも、人参・かぼちゃ・イモ類、それに海藻

野菜の中でも、私が気づいたのは、人参とかぼちゃとイモ類がいいということです。
いもは何いもでもかまいません。
いも類をよく食べる村と、それを食べない村とをくらべると、これははっきりしてます。
どこで調べてみても、海藻を常食している人は、脳卒中にかかることが、断然少ない。
海藻を毎日のように食べる村は脳卒中がないのに、海藻を食べる習慣のない隣の村は、脳卒中で短命です。
隣村同士でもそれほど違います。
これは全国的に調べてみて、裏付けされていますが、たまに食べるのでは効果がなく、毎日食べる習慣の村です。
これは人参、大豆、いも、かぼちゃといったものもそうで、たまに食べたり、一度のたくさん食べるという食べ方ではなく、少量でも毎日食べるということが大切です。
「一日も欠かさない」
そういう要領でやらなければ、長生きの目的を達成することはできないでしょう。

人参・かぼちゃ・イモ類・海藻、どれも好きです。

ただ海藻は食べる機会が少ないように反省しました。

 

●志摩の海女が嫌いな人参を食べる理由

「人参を食べるか」
と聞いたところ、十人が十人食べるというのです。
人参は好き嫌いのある野菜ですから
「みなさん好きなんですね」
と聞くと、
「いや、実は好きではないのだが、海に深く潜って、アワビをみつけて、いざ、とるというとき全身の力を入れる、人参を食べていると、そのとき力が出るから止められません。」
という話を聞かせてくれました。
人参を食べると力が出て、甘いものを食べてはおなかが重くなり、アワビをとれないからいけないということは長年の経験で知っているのです。
生活全体を節制しながらも、楽しく張り合いがあり、食生活も理想的ですから、みんな長生きしています。
ただ同じ海女の村でも伊勢湾に浮かぶ神島の海女はあまり長生きしていませんが、これは野菜をつくっていないため、野菜不足になっているからです。

人参・野菜、子供達にも好んで食べるよう伝えたいと思います。

 

【要点備忘メモ】

・能登半島輪島の海女は短命。魚と白米を多食し、野菜のとり方が少ない
・長寿村は魚か大豆を常食にし、しかも野菜もたくさん食べているところ
・果物は野菜のかわりをしない。りんごを作る村・みかんを作る村など、果樹づくりの村を全国的に調べた結果、果物をたくさん食べていても、もし野菜の食べ方が不足していれば、絶対に長生きしないことがはっきりしています。
・若死するハワイの日系二世、三世。両親が70~80歳でも生きているのに、子供が40代で死んでいく。同じ食卓を囲んでいても、一世はあまり肉を食べないで野菜や海藻、豆腐を食べているのに若い者は肉ばかり食べて一世の食べる食べ物をいっこうに食べない。白人と比較しても遜色ない体格だが、長生きできない。

・近藤先生健康十則
1.「正しい姿勢で」(読み書き、食事、寝る時)
2.「充分明るいところで」(仕事をする時)
3.「常に良い空気の中で」(窓をしめっぱなしにしないなど)
4.「ある程度は良い気温」(極端に寒いも暑いも良くない)
5.「日光に親しめ」
6.「毎日、運動」(歩くだけでも良いから毎日)
7.「充分、休養」(特に安眠)
8.「鍛錬を忘れない」(例えば、寒さに対する訓練)
9.「科学的にみて清潔」(洗い方)
10.「正しい食生活」(発育期には身体の発育を良くするための食生活をし、成人になれば健康長寿を考えた食事をしなければならない

・【結語】隠岐の島の食生活
1.魚(小魚。切り身ではなく、肝・内蔵)も大豆も豊富 ※豆乳も良い(コーヒー・紅茶代わりに)
2.野菜(特に人参、かぼちゃ、長芋等)が豊富
3.米が少ない(麦が主で、さつまいもがも多い。現在は米も摂っている)
4.山菜に富む
5.海藻の常食(ワカメを豊富に食べている)
6.胡麻をよく食べる

本書の内容を実践すべく、スライド1枚にまとめてみました。

画像

あとで私自身が思い出すために、いつもより多めにまとめを書きました。

・発育期と、成人期で食べることへの考え方を健康長寿へ切り替える
・小魚、大豆、野菜(人参・かぼちゃ・イモ類)、海藻を重視する
・白米や肉は食べ過ぎない

振り返ると反省することばかりですが、まだ遅すぎることはないと考え、食習慣を変えていきたいと思います。

その結果、体重がさらに減り、健康で活発になれたらいうことなしです。
意識が薄らいだらまた読み直したいと思います。

 

【目次】
1 平均寿命ではわからない
2 志摩の海女が長生きなわけ
3 塩焼を生業とした平家部落
4 岡山県公文村の謎をとく
5 男(女)を大切にする土地
6 米作りの部落をのぞいて長寿
7 八重山の長寿村・竹富島
8 米どころで長寿村の理由
9 労働する女たちから
10 大豆、にんじん、かぼちゃ
11 崖の上に畑をつくる漁村
12 これからの日本人は長生きか
13 私の生いたちと考え方
14 結語
付帯調査と解説
15 沖永良部島・屋子母と与論島
解説 長寿村は幻想ではない

【今回の一冊】
◆タイトル:『新版 日本の長寿村・短命村』
◆著者:東北大学名誉教授・医博 近藤正二
付帯報告と解説 萩原弘道
◆出版社:サンロード出版
◆ページ数:179
◆1991.4.1

【おすすめ度】(5段階)
●総合 ☆☆☆☆☆
●読みやすさ ☆☆☆

【関連ブログ】

【編集後記】
「生涯現役」は以前から思っていた理想の人生なのですが、実際が伴っていないことを本書で痛感しました。
新年早々耳が痛い本でしたが、この出会いを大切にしたいと思います。
本年もよろしくお願いいたします。

2019.12.13追記

体重減少が停滞気味の今、気持ちを新たにすべく再度本記事を見直し、公開しました。

【目指せ200冊レビュー!】
今回で192冊目です。

【おわりに】
最後までお読みくださりありがとうございました。
今後とも引き続き、当ブログをよろしくお願いいたします。

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