社員を大切にする経営

どのような経営を目指すのか

京都産業育成コンソーシアムのセミナーにて、坂本氏の講演を聴きました。
テーマは『企業にとって人財育成が重要な理由』でした。
全体を通じての私の感想は、このお話が意味が有意義か、それはその企業の経営者がどのような経営を目指すのかで決まるということです。

坂本教授の言われるように従業員満足を第一に考える経営を目指すのか、できない理由を探して今まで通り変わらないのか。
坂本教授がお話される事例は今では完成型となった従業員とその家族の幸せを実現する会社です。

』を読んでいると、はじめは普通の会社で、このような経営を志すきっかけとなる
挫折や失敗の経験が経営者にあります。
そして、一朝一夕では決してできておらず、長年の積み重ねの結果、すばらしい会社となったということです。
長年の積み重ね、これが何を目指して現在を積み重ねるのか。
日々の一歩一歩が決定的に重要だと再認識しました。
働く人やその家族にとって良い経営習慣を増やしていき、続けていけば、素晴らしい会社に一日一日と近づいていきます。

しかし、悪い経営習慣をそのままにすれば、知らないうちに内部崩壊のリスクは高まります。
例えば、社員をおろそかにすることを放置していけば、社員は将来に不安を感じ、モチベーションは下がり、離職率は高まり、補充人員の採用と育成に苦労しながら組織としての総合力は上がらない状況になる未来が想像できます。

新人がすぐにやめてしまえば、教える側もやる気がなくなってしまうといった悪循環が生まれます。
万難を排して、社員の幸せを口や文書だけでなく、本当に実行するのか、無理な理由を見つけて、今日の話を忘れるのか。
ここが大きな分岐点ではと感じました。
以下に、印象に残ったお話を書きつづります。

●1に人材、2に人材、3に人材

『ヒト・モノ・カネ・人材・技術・情報』
経営学でこのように一般的に各要素が同列で並べられているが、1に人財、2に人財、3に人財であり、他のものは人財が幸せになるための道具にすぎない。
人は幸せになるために生きている。これは自社の社員でけではなく、下請けで働く人も、外注で働く人も同じである。
坂本教授は経営学で学んだことを現場を見たらウソばっかりだと感じ、現場で勉強しなおして、考え方をあらためられた。

●新しい感動的価値の創造・提供者は社員

社員第一で感動的価値は創造できる。
これができる会社は価格競争を一切しない。
新商品・新技術開発を連続的かつ波状的に行っている。

●好業績企業は人財の確保・育成に熱心

人財の確保について、すばらしい会社は好況でも不況でも毎年5人なら5人採用する。
景気によってブレない。
育成においては定量数値がある。
総労働時間における人財育成時間が3%以下、一人当たり人財育成コストが1万円以下企業で業績がいい会社は見たことがない。
景気は与えられるものではなく、自らつくるもの。
6500社を訪問したうち、1割は不況になったことがない。
北海道のある会社は54期連続黒字で売上高経常利益率が7%以下になったことがない。
売上高経常利益率が20%以下に40年間なったことがない会社もある。
規模、ロケーション、業種、業態は関係ない。
年間来客日本一の自動車学校は島根県の山奥にある。
景気ではなく、なおすべきはあなたの頭と心

●サンキューレター

従業員満足を高めると、社員が顧客に感動的なサービスや製品提供を行うようになり、顧客は必ず反応し、サンキューレターがくる。
そして、顧客満足、顧客の声が社員を育てる。
年2万通サンキューレターがくる会社もある。

●トップが背中と心で示す

恐ろしいほど、トップ(経営者)は社員に見られている。
しかし、普通の人は人事権を持つ人にたてつくことはしない。
内部から腐っていくか、やめていく。

●リストラと定年と社員育成

リストラをした会社の経営者が言う

「社員が育たない」

は言語道断。

残っている社員も明日は我が身と思い、とても会社のために一生懸命成長して貢献しようとは思えない。
定年がなく、本人が引退するまで働ける会社、70歳が定年の会社というように優れた会社は定年が長い、あるいはない。
また、年功序列で60歳以降の年収はそのまま変わらない。
60歳で低い待遇で働き続けるか、やめて別の道を歩むかという状況では50歳以降、真剣に勤めるだろうか。早く退職し、第二の人生を歩む準備をする者もあらわれる。
また、先輩社員の老後の姿を見て、若い人が明日は我が身と感じている。
家族が能力が低いといって、息子を家の外に追い出すか。

●優れた会社は年功序列

従業員満足を重視した経営をしていると、利他の心が育ち、優秀な社員が他へ出て行くということもおきない。
成果主義や実力主義で社内闘争に無駄なエネルギーを使わない。
能力でつける差は賞与で10%差がある程度。
家族が子どもの出来、不出来で小遣いの金額を変えるか?

●中小企業がやってはいけない3つの競争

価格競争、品揃え競争、内部競争

●理念教育のしくみはさまざま

沖縄教育出版の朝礼(全社員教育の場)
日本レーザーの今週の気づきの社内メール
長野中央タクシーは理念教育のみ
フジ眼鏡の社会貢献活動(全員参加)
オオゼキ(食品スーパー)の理念

●企業を見る時の視点

「私が社員だったら?」
「私が学生だったら?」
「私が高齢者だったら?」
「私が盲目だったら?」

■おわりに

坂本教授に認められるような企業作りを経営者や後継者の方と力を合わせて支援していきたいと考えております。
また、そんなマネジメントを自ら実現する方法を現在模索中です。
ありがとうございました。
長文にもかかわらず、最後までお読みいただきありがとうございました。

丹波経営研究会