セミナーの流れ

1.打ち合わせ

セミナーの依頼を受けると、まず日程を調整し、打ち合わせをします。

<確認する項目例>

・テーマ

・希望する内容

・参加人数の規模(過去の実績)

・受講者にどうなってほしいのか?終了後にどんな感想があると嬉しいのか?

・開催日時

・配布資料のデータ送付期限

・セミナーのスタイル(座学のみ・個人ワークあり・グループディスカッションあり など)

 

2.基本構想をつくる

具体的な資料作成前に、基本構想を考えます。

<基本構想例>

・【目的】何のために講師をするのか?

 

・【求められること】(業界知識を知りたい・学びたい・感動したい・本音を聞きたい・会ってみたい)

 

・【伝えたいメッセージ】「これを伝えたい!」と強く思うこと

 

3.レジメの大きな流れを決める

私は、話すポイントを大きく3つにまとめ、前後にオープニングとクロージングをつけるスタイルで今はつくっています。

<例:補助金申請攻略セミナー>

1.はじめに

2.応募前に注意すべき3つのこと

3.補助金申請前にするべきこと

4.補助金申請攻略法

5.おわりに

 

4.具体的な資料を作成する

大きな流れをもとに、それぞれで伝えたいこと、必要な資料(私の場合はパワーポイントのスライド)の項目を列挙します。

その上で、1つ1つ作り上げていきます。

過去のセミナー資料が使える場合はスライド単位で活用します。その場合でも、気に入らない点をアレンジしましょう。

 

5.オープニングとクロージングの話す内容を考える

私はセミナーがメインではありません。

決して話し上手な方ではないと思います。

もともと前職が講師業ではなかったので、はじめの方はガチガチに緊張して、声も震えていました。

限りなく気風は京都ですが、一応大阪人なのでもう少し笑いがとれたらなともよく思います。

 

そんな私でも、事前によく練るのがこのオープニングとクロージングです。

はじめの”つかみ”と、ラストの”シメ”はセミナー全体の印象に大きな影響を与えるからです。

どちらにも、受講者と事務局・後援者への感謝の気持ちは含まれると良いと思います。

間のスライドはスライドを見せながら、結構アドリブで話しています。

あるワークショップで、あらかじめ用意しておいた最後のあいさつを話した時、

商工会の職員さんが感極まって涙を流されました。

中小企業診断士は論理は共通して得意かと思いますが、聞いてる方々の感情に訴えるメッセージがあれば良いなと思います。

まだまだ試行錯誤中ですが、そのためには自らの体験談やそこから生まれた考え、気付きが含まれていると良いのではないでしょうか。

 

6.タイマーを計測しながら一通り話してみる

資料とスピーチ内容が一通りできたら一度リハーサルをしてみます。

実際に話してみると、スライドのおかしな部分に気づくことができます。

 

また、大項目単位で所要時間を記録しておくことで、当日のタイムスケジュールが組めます。

割当時間より長いか短いかによって、話すことを伸ばしたり、省略するところを決めます。

 

リハーサル後に、資料を修正し、タイムテーブルを作成します。

タイムテーブルは多少のスタート遅延、事務局による説明。

終了後アンケートを書いてもらうのであれば、その時間も計画に入れておきましょう。

 

7.印刷して提出前の最終チェック→提出

パソコンで見ていたら気づかないミスも、印刷したら気づくことが良くあります。

特に配布用資料に誤りがないか、ここで再度確認します。

これで良ければ提出します。

提出時はパソコン持参や、プロジェクター・スクリーン・マイクの用意、座席の形など必要事項を伝えておきます。

早めに提出するほど、事務局に喜ばれると思います。

 

8.当日

当日の朝は最終リハーサルをします。

ここで、あらたなアイデアやひらめきによって、オープニング・クロージングのスピーチ内容を変えることもあります。

よりよくしようという気持ちは常に大切に。

会場には1時間くらい余裕をみて到着すると、準備万端で本番に臨めます。

「1.」~「7.」までの準備をしっかりしているほど、本番は落ち着いて自信を持って取り組めます。

準備8割本番2割です。

私の場合は、早口になってしまうことがあるので、その点に気をつけます。

話している時は、難しい顔をされている方よりも、ウンウンと頷きながら熱心に聞いてくださっている方を意識すると、勇気づけられます。

理想的にはZの字で全体を見渡せるといいですね。

 

9.終了後

アンケートがあった場合は、可能であればコピーをいただきましょう。

次への改善へのヒントになりますし、好意的な感想は励みになります。

批判的なコメントは改善点のヒントになります。

 

受講者の募集仕方にもよりますが、全員のニーズを完璧に満たすことは不可能です。

コンセプト・軸を明確にした上で、想定される期待について応えられない部分には、

「こういう点には今回ふれません。」とあらかじめ説明しておくと良いですね。

 

例えば私が、創業のセミナーをさせていただいた時に、

「飲食店の事例ばかりで、私の業態にはあまり参考にならなかった。」

というお言葉をいただいたことがあります。

「すべての業態を詳しくは説明できないこと。比較的希望者が多く、誰でもイメージできるから飲食店をとりあげた事例が多いこと。その事例を真似るのではなく、事例から学べる考え方に注目していただき、それを自分の事業でどう活かすかを考えてもらいたいこと。また、事例をもとに、事業計画の立て方のポイントをつかむことが本セミナーの目的であること」

このように最初に説明すべきだったとその時は反省しました。

 

セミナー当日はスタートが遅れても、エンドは厳守する

受講者、事務局、セミナーはみなさまの貴重な時間をいただいてさせていただくものです。

終了時間を延長するということは、多くの方々の貴重な時間を奪う行為であると私は考えています。

なので、タイムマネジメントには細心の注意を払っています。

クロージングの内容が良いことも大事ですが、時間通りに終わることも、後味に大きく影響します。

そのためにも、事前にタイムテーブルを作成しておき、節目毎に、早いのか、遅いのかをチェックしながら終了時間はぴったりか気持ち早めに終わるよう心がけています。

これを地道に繰り返し、慣れてくると、必ず時間通りに終了できるようになります。

 

<セミナー資料は出し惜しみしない>

これも支援機関の方から聞いたのですが、

「プレゼン資料が前のスクリーンのみで、配布がNGだったことが受講生に大変不評だった。」

とのことです。

ちょっとスライド数が多くなりがちで恐縮なんですが、私は資料配布OKです。

 

ノウハウの固まりなんで、惜しむ気持ちはわかりますが、配布した方が確実に満足度は高まります。

特に文字が小さく、前では、文字が見にくいような場合は手元に資料があった方が親切です。

 

私はたとえ、同業の方が見学されていても、資料は遠慮なく配ってもらっています。

資料の部分部分は真似される、参考にされるようなこともあるのかもしれませんが、

まるまるパクられるというようなことは私の知る限りないように思います。

私の場合で考えてみても、人が作った資料ではとても話がしにくいです。

 

また、人に真似されているとしても、人が真似しているうちに、自分の資料をどんどんバージョンアップさせて進化させます。

本田宗一郎さんのモノづくり精神がこんな感じだったように思います。

 

一度使ったセミナー資料を毎年繰り返し使いまわす方も時々いらっしゃいます。

これは講師からみたら非常に生産性の良いやり方です。

受講生にとっては毎年違う方なので受講生には初めてで新しい。

しかし、事務局の方は毎年同じ人のことも多いです。

 

毎年資料をバージョンアップさせる講師と、毎年変わらない講師、

あなたが依頼する側でしたらどちらに次もお願いしたいと思いますか。

資料は出し惜しみせず、同じ依頼でも中身を進化させましょう。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

私はこのようにセミナーの準備から本場にいたるまでを取り組んでいます。

正直、結構手間がかかっています。

毎回全く新規のテーマだったら、はっきりいって割に合わないです(笑)

今は個別企業の支援に力を入れており、物理的な理由でお断りすることもよくあります。

ただ、これまで取り組んできて培ってきたことを整理し、体系化する意味では大変有意義な機会でもあります。

 

過去のさせていただいたものと同じテーマでも、必ずアレンジ・更新をしています。

プレゼン資料はできた時から退化ははじまっており、本場の時点でも気に入らなくなっているスライドがあります(笑)

 

セミナーは次の仕事への大きなチャンスです。

次のセミナーにつながることもあれば、名刺交換を求められて個別の仕事になる場合もあります。

 

セミナーの準備から本番までの方法は十人十色だと思います。

これはあくまで、私の現時点でのやり方にすぎません。

そもそも、仕事全体の中で、セミナーをどう位置づけるかも人さまざまです。

セミナーを極めて、全国で水平展開する方もいらっしゃると思います。

私のように個別企業の支援がメインで、セミナーは時々求めに応じてするという方もおられると思います。

自分が一番しっくりくるセミナーのあり方、進め方を習得できるといいですね。