この先生と私は合わない?

あるセミナーで、講師の方が、業種だけの情報で

「この業界はこれが課題だからこうすべきだ。」

と、何も話を聞かれずに指導されて、

「この先生とは合わない。」

と大変不快に感じたというお話を伺ったことがあります。

 

経営相談の最初にまずすること

私は、経営相談を受ける時はまず最初は聴くことに徹します。

2回以上訪問する場合は初回訪問の大半は話を聴いています。

1回だけの支援の場合は、例えば、2時間の相談なら最初の1時間くらいはやはり聴いています。

『7つの習慣』でいう第五の習慣、

「まず理解に徹し、そして理解される。」

を実践しています。

 

1.感情的なトラブルにまずならない

このまず聴くことを重視することで、経営者様とほとんどトラブルにつながることがないように思います。

中小企業診断士がその仕事から外されることがあるとすれば、

経営者様ともめた時です。

支援機関経由の仕事の場合は、トラブルを起こすと、案件の紹介はなくなります。

また、悪いクチコミが支援機関で広まってしまいます。

「いきなり、指導がはじまったけど、私のことを何もわかってないじゃないか。」

と思われてしまうと、かなり難しい展開になってしまいます。

 

さらに2つのメリットがあります。

 

2.こちらの話を聴いていただける土台ができる

経営者様は孤独です。

特に中小企業の経営者様は同じ目線で、話ができる機会に飢えておられることが多いようによく感じます。

経営者様は基本的に話をしたい方であり、話を聴いてほしい方です。

この欲求を満たすことで、かなり満足される方も多くいらっしゃいます。

ただし、聴く側に、何かを売り込みたいとか、何かを伝えたいという意思が強いと、

聴いてもらっているようで、聴く側は次に話すことを頭で考えていることが多いです。

これは聴いているようで、聴いていないということです。

ここで聴くとは、こちらの話すという意識をとりあえず捨て、本当の意味で聴くことに徹することです。

そうするとどうなるか、経営者様はすっきりされます。

うまく聴ければ、

「こちらの状況や思うことを理解してもらえた。この人は信用できそうだ。」

と思っていただけます。すると、

「ちょっとこの人の言うことを聴いてみようか。」

となります。この下地をつくることがとても大切だと常々思っています。

 

3.より的確な助言ができるようになる

当然ですが、効果的な質問により、経営の状況を理解すればするほど、こちらからの提案も的確になります。

ある程度、相談前に聴いている情報で仮設は立てますが、話を聴かない状況では仮設が外れている場合も多いです。

 

ついこの前、インターネットの広告についての相談と事前に聴いていました。

検索エンジン広告とか、SNSの有料広告の相談かなと思いましたが、

実際に聴いてみると、検索結果を上位にしたり、ホームページへのアクセスを改善したいという内容でした。

 

このように経営者様が相談されたい内容の背景を理解することで、本当の取り組むべき課題が見えてきます。

ドリルを買いたい人は、ドリルがほしいのではなく、穴を空けたいんですよね。

ホームページを作成したい人は、ホームページがほしいのではなく、ホームページから問い合わせなどの新規顧客獲得のきっかけがほしいんですね。

 

まとめ

1.経営者様とトラブルにならない

2.こちらの話を聴いていただける土台、信頼関係ができる

3.より的確な助言ができるようになる

 

いかがでしょうか。

ついつい、いきなり自分の得意技をプレゼンしたり、

思い込みでアドバイスに熱が入ってしまったりすることがあると思いますが、

まずは聴くこと、理解すること、信頼関係をつくることに徹することがおすすめです。

先日もある社長様がおっしゃっていましたが、

本当の意味で話を聴いてくださる専門家は意外に少ないのかもしれません。

 

次回は、学習と成長7つの機会 です。

丹波経営研究会