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【書籍紹介】リアル販売促進

儲かるしくみ構築法『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』

儲かる仕組構築法

儲かる仕組構築法

【今回のテーマ】

マーケティング~儲かる仕組みの作り方~

 

【今回の一冊】

◆タイトル:『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』

◆著者:日本経営教育研究所 代表 石原 明

◆出版社:中経の文庫

◆ページ数:254

◆2012.9.3 初版

 

【こんな方にオススメ】(5段階)

●いい商品なのに売れない ☆☆☆☆☆

●「とにかく一生懸命売れ」に限界を感じる ☆☆☆☆

●どんどん会社が発展するにはどうすればいいか ☆☆☆☆

 

【レビュー】

●行き詰まっている業界こそ他業種からヒントを

コバックという車検の会社があります。

現社長が後を継いだ時は普通の車検工場でした。

労働時間は長い、お客様からはこき使われる、払いは悪い・・・。

社長は

「どうにかしてこの形態を変えなければ」

と考えに考え、車検に特化するという方法がひらめきました。

そこで、飲食業のマクドナルドをお手本にしました。

マニュアルに沿って完成させる仕組みを車検に応用しました。

車を顧客の家に取りに行くのをやめ、

「車をお持ちいただければ、ここで安くていい車検をします。」

と宣言しました。

結果、180坪のスペースで、年間8120台の車検をするという世界記録を成し遂げました。

トラック業者などの掛がなくなり、現金商売となり、資金繰りが大きく改善しました。

一見終わってしまった、誰も引き継がないような業種ほど、ちょっと工夫するだけで劇的に変化する可能性があるわけです。

車検のコバックの仕組み

先日、食べログの点数が3.5以上の人気店のラーメン屋さんの社長にお話をお伺いしましたら、

「同業の店に行くことはほとんどない。異業種から学ぶことの方が多い。」

と言われていました。

コバックの事例もまさにそうですね。

石原氏の話を聴いていると、

「不況業種」

と考えて、誰もが思考停止している業界ほどむしろチャンスがあるように思えてきます。

本書はマーケティングを中心に、売れる仕組みをどのように作るかについて、筆者が語り口調で、具体的な事例を交えながらわかりやすく語られています。

マーケティングだけでなく、後半は組織づくりについても書かれています。

・「みんながお客さま」は失敗のもと

・「安い」という宣伝には安いお客さましか来ない

・「お客さまに会えばなんとかなる」というのは大間違い

・「お客さまは忘れる」ということを忘れない

・「いいものが売れる」とは限らない

・「高い」という理由で売れる商品もある

・「問題の出やすい会議」が組織を発展させる

こういったキーワードに興味を持たれた方は600円(税抜)とお手軽な文庫なので一度手にとって読まれてはいかがでしょうか。

発送の転換につながるきっかけがたくさん詰まっています。

 

(1)「安い」という宣伝には安いお客さましか来ない

手っ取り早くお客さまを集めるには、バーゲンセールなどの安売りがききそうな感じがしますよね。

でも、安売りばかりやると、安売りに見合ったお客様しか来なくなるのです。

会社の広告や宣伝は「情報発信」だと理解しておく必要があります。

ですから、

「市場に対して、わが社をどのように認知させるか」

ということをきちんと決めてうえでやらないといけないのです。

広告や宣伝をはじめたら一貫性が大事になります。

「こういうお客さまに来てほしい」

と情報を発信し続けることで、望むお客さまが来るのです。

ですから、安売りチラシばかり出すのも考えものです。

エルメスやルイ・ヴィトンを見てください。

安売りチラシなど絶対に出しません。

だから、定価で買うお客さまが来るのです。

あるパン屋さんは毎週のように100円セールをしていたら、

定価の日に買いに来るお客様がどんどん減少していきました。

低価格で来られる顧客は、ネットも含めてより低価格で変える店が見つかればそちらに移ってしまいます。

求める顧客像を明確にすることは本当に重要です。

その上で、自店をどんな風に見られたいのかを明確にしましょう!

 

(2)モノを売ることとは?~名前を変える事例~

製品を変えなくても、名前を変えたとたんに売れることもあります。

以前、「みだくなす」という名前の商品がありました。

この商品は、地元の農家が一生懸命つくった品種で、地元の特産品をつくるためにヨーロッパから持ってきてアレンジを加えた果物です。

「味が最高においしい」

「いろいろな食材として使える」

「珍しい」

「形がおもしろい」

しかし、どうやっても売れませんでした。

売れないと農家も大変なので、最後は5家族くらいしか残りませんでした。

そこである人が、

「名前を変えたらいいのでは」

と提案し、新しい名前をつけました。その名は、

「ラ・フランス」

名前を新しくして市場に出したら、今度は爆発的に売れに売れて、最後まで頑張っていた農家の人たちは、うれしくて全員泣いたそうです。

いまでは山形県の名産品ですね。

ジュースやお菓子など、いろいろな商品に使われています。

香りもすごくよく、そしてバカみたいに高いです。

名前を変えた例では、「通勤快足」が有名です。

モノを売ることは、

「商品をどう見せれば、売れるようになるか」

ということを探す作業といえます。

もちろん、いいモノをつくる努力は絶対に必要です。

第23回:ブランド名変更のイメージ調査

このラ・フランスの事例は非常にインパクトがありました。

ネーミングを変えることの重要性を学ばせていただきました。

とても便利でお得な商品・サービスだけど、それがいまいちお客様に認知されていないと感じること、多々あります。

飲食店のメニュー表も新規客の視点で見ると、いまひとつウリや魅力がわからず残念に思うことがよくあります。

 

(3)社長を超える人財が何人いるか?

組織は、ある意味で社長を超えていく人間がどれくらい出るかによって、成長の度合いが決まります。

「この分野は、自分よりこいつのほうがすごいな」

と社長が思える社員がどれだけいるかで、組織の強さは変わります。

もちろん、考え方は、社長と基本ラインが一緒というのが前提条件です。

組織は、一見バラバラな感じのほうが、実は断然強いのです。

わがままな人がたくさんいるかもしれませんが、社長のことをみんなが大好きで、何か問題が発生したら力を合わせて頑張る そんな組織です。

優勝する野球のチームには、「日替わりヒーロー」がよくあらわれますが、あれと似たようなものだと考えるといいでしょう。

本当に社長と同じことをわかっている社員が10人いたら、従業員が100人くらいの会社と競争しても勝つかもしれない、と私は思います。

それぞれが同じ考え方のもとに、能力を発揮してくれている。

つまり、”同じ考え方で生きる”という仕事をすれば、組織は本当に強くなります。

考え方を共有する。

価値観・信念が共有できた組織はほんとうに強いです。

社員旅行なども、こういった要素を入れると大変有効になります。

朝の朝礼、経営報告発表会、日々のコミュニケーションで経営者が一貫した軸を持ち、会社の価値観を伝え続ける姿勢が大切ですね。

 

●教育とは、同じ人間に同じ話を400回言えるかどうか

組織を変えることは、

「社長と社員のどちらの意思が強いか」

の問題でもあります。

これは知り合いの社長から教わったことです。

「教育とは、同じ人間に同じ話を400回言えるかどうか」

当時、私は部下に

「何回言ったらわかるんだ!」

と、毎日のように怒っていました。

私はこの言葉を聞いて、すごく楽になりました。

それまで

「10回も言っているのに、なんでわからないんだ。」

と怒ってばかりいたのですが、

「なんだ400回か」

と思ったとたん、全然怒らなくなりました。

200回同じことを言ってもまだ半分にすぎないと考えれば、10回など大した数ではありません。

要するに、部下が観念したら変わります。ということは根くらべですよね。

「この人は、とにかく自分が変わるまで、同じことを言い続けるに違いない」

と相手に思わせれば、部下は変わっていくのです。

私も、この話を聴いて、息子への教育の気が楽になりました(笑)

教育とは根くらべでもあるんですね。

本書は先にオーディオブックで聞いたものですが、印象に残る話がたくさんありました。

儲かる仕組みで筆者が言いたいことは、営業活動を

1.集客

2.見込み客フォロー

3.販売

4.顧客化

というステップにわけて、仕組み化するということです。

中小企業支援をさせていただいていると、まず”集客”の部分、いかに自社・自店のことを伝えて、興味を持ってもらえるかができていないケースが多いと感じています。

この4つの視点から経営者に質問して、ヒアリングすると、業績改善のための打つべきポイントが見えてきます。

また、ここのお金をかけるという発想が全くないケースが多いです。

とても楽しく、興味深く読める読み物でした。

 

【目次】

はじめに

第1章 伸びる会社には伸びる理由がある

第2章 絶対に売れるしかけと勝てるしくみはこうつくる

第3章 誰も教えてくれなかったモノが売れまくる法則

第4章 勝手に発展する組織をつくる

おわりに

 

【今回の一冊】

◆タイトル:『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』

◆著者:日本経営教育研究所 代表 石原 明

◆出版社:中経の文庫

◆ページ数:254

◆2012.9.3 初版

アマゾンでレビューを見る

 

 

【おすすめ度】(5段階)

●総合 ☆☆☆☆

●読みやすさ ☆☆☆☆

 

【関連書籍のレビュー】

売れない理由を疑い、売れる仕組みをつくる『営業マンは断ることを覚えなさい』

→同じ筆者です。より営業マンよりの話はこちら。会社としての視点であれば本書がオススメです。考え方の根本は同じです。

 

【関連リンク】

 

【編集後記】

言い回しや、ステップの分け方が違いますが、本当にモノを売るための実践的なステップはどなたも同じことを言われているなと感じます。

私も何度も何度も異口同音に考え方を学ぶことで頭に染み付いていっているように思います。

 

【目指せ200冊レビュー!】

今回で174冊目です。

 

【最新の書籍紹介はこちらで掲載しています】

岩橋マネジメントサービスHP

 

【過去の書籍紹介はこちらのブログに書いていました】

中小企業経営に役立つビジネス書・自己啓発書レビュー

 

【おわりに】

最後までお読みくださりありがとうございました。
今後とも引き続き、よろしくお願いいたします。

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