お客様をえこひいきする

客は平等を望んでいない?お客様を成長させるしくみ作り

 

 

【今回の一冊】

◆タイトル:お客様は「えこひいき」しなさい!

◆サブタイトル:「顧客差別」で3倍売れる!

◆著者:高田 靖久

◆出版社:中経出版

 

【こんな方にオススメ】(5段階)

●最近、常連客が減少している ☆☆☆☆☆

●一生懸命新規顧客を集めても利益が伸びない ☆☆☆☆

●中小企業の販売促進を学びたい ☆☆☆

 

【レビュー】

●実践的えこひいきマーケティング

<売れる仕組みを構成する4つの手法>

1.新規客を集める手法
2.客を固定客にする手法
3.客を成長させる手法
4.客を維持する手法

高田氏は売れる仕組み構築プログラムをこの4つの手法からなるとし、本書では”3.客を成長させる手法”をテーマにしています。

私自身、常連客として不満があります。
それは11年間同じ携帯会社で番号も変えずに継続していても、優遇されるのは新規顧客ばかりで、長年使い続けている特典のない定額プランには納得がいきません。

それが理由で携帯会社をついに変更し、次は格安SIMへの乗り換えを検討しています。

また、お気に入りのラーメン屋で、炒飯に入っている、紅ショウガをいつも私はお願いして抜いてもらうのですが、何度も行くことで、

「兄ちゃん、紅ショウガいらんかったね」

とマスターから言ってもらえた時はちょっとしたことですが、嬉しい気持ちになりました。

常連客は感情的に”特別扱い”されていると感じるともっとそのお店のファンになることは実感を含めて同感です。

自社にとって本当に大切なお客様を認識し、大切にする高田氏のえきひいきマーケティングはとても実践的でおもしろい発想です。

 

●どの客をえこひいきすべきか?

結論はズバリ年間累計売上高です。
この把握のためにお客様別売上高を把握する顧客データベースが必要です。

毎月訪問して100円の買い物をするお客様より、年に一回でも10,000円買ってくださるお客様の方が利益に貢献しています。

いつも気前よく買い物をしてくださるお客様はすぐに上得意様とわかりますが、毎回の買い物がインパクトがない金額だが、定期的に訪問していて合計金額が実は多いお客様は感覚ではなかなか見抜けません。

お客様別年間累計売上高をチェックしてみると、

多くの経営者が、

「このお客さんはこんなに買ってくれていたのか!!」

という驚きの声をあげるとのことです。

高田氏の統計によると、お客様別年間累計売上高の上位10%(ファン客層)で売上の45%、次の20%(得意客層)で売上の30%、合わせて上位30%のお客様で売上の75%を構成しているとのことです。

貴社は本当に大切なお客様をきちんと把握していて、大切に誠実に対応していますか?

 

●リッツカールトンの世界最高レベルのえこひいき

サービスの世界で有名なリッツカールトンホテル、このホテルは通常でも非常にレベルの高いサービスが受けられるそうですが、利用回数が増えるごとに最高を超えるサービスを受けられるとのことです。

”ロイヤルカスタマー”と位置づけられるお客様にはそのお客様に喜んでいただけるために四六時中考えるドリームチームが結成されます。

また、エンパワーメント(権限委譲)により、従業員1人に1日2,000ドルまでを自由にお客様サービスのために使用できるようになっています。

<驚愕のえこひいきの例>

・エレベーターの中で知らないスタッフにいきなり名前を呼ばれた。

・到着時間を伝えていないのに、空港までホテルのリムジンが迎えに来ていた。

・何も言っていないのに、イタリアンのシェフが好物のタイ料理を作ってくれた。

・誕生日の朝、何時に朝食をとるか伝えていないのに、朝食会場に向かう途中、100人以上のスタッフに並ばれて「誕生日おめでとうございます。」の声がかかった。

リッツカールトンは顧客情報を本社で一元管理しているため、ロイヤルカスタマーには世界中のどこのホテルでもこのような驚愕のサービスを提供できます。

 

●ランクアップシステムを実行せよ!

えこひいきマーケティングはリッツカールトンのような大企業ではなく、中小企業でも実践可能です。

それを可能にするのはお客様カードの活用です。

機械を使うカードではなく、紙のカードでも十分です。

実際に高田氏の顧客は9割が紙カードを活用されているとのことです。

通常のお客様カードの欠点は、一度貯めてしまうとまたゼロから貯めなおすことを考えるとテンションが下がってしまうことです。

しかし、カードを貯めるごとに、ランクが上がってお店のサービスもランクアップしていくとどうでしょうか。

ランクはレギュラー、シルバー、ゴールド、プラチナといったものです。

ポイントはランクに応じてどのように”えこひいき”したら喜んでもらえるかを経営者だけでなく、パートさんやアルバイトさんも巻き込んで検討し、改良していくことです。

 

●えこひいきマーケティングはその他の客を切り捨てるものではない

最終章で高田氏は言います。

「100円の客であっても、100万円の客であっても、差別なく最高のサービスを提供しよう。

しかし、飛び抜けて利益を落として帰るお客様にはそのことに感謝の意を示そう。

もし可能であれば、感謝を形に変え、サービスで提供しよう。

なぜならば、全ての客にサービスを提供しようとすると、経費がかかりすぎてできないサービスが生まれる。

どのみち全ての客にできないことならば、飛び抜けた客にだけでも、そのサービスを提供しよう。

全ての客に最高のサービスを提供しているならば、それを超えたサービスを上位客には提供しよう」

 

本書では、ヘアサロン”RITZ”、JALのマイレージサービス、小さな居酒屋などさまざまな事例を交えてえきひいきマーケティングが語られています。

インターネットやメルマガの活用方法にも触れられており、とても実践的な内容です。

”えこひいき”は店長や女将さんだけができてもダメです。
どのスタッフが対応しても、”えこひいき”ができることが重要です。

そのためには顧客情報は店長や女将さんの頭の中ではなく、スタッフの誰もがいつでも確認できるように整備されていなければなりません。

貴社も本書をヒントに、貴社オリジナルの”えこひいきマーケティング”の仕組みを作り、ファン客、得意客の心をがっちりとつかまれたらいかがでしょうか?

 

【目次と注目ポイント】

第1章 なぜ、えこひいきが重要なのか?

01 客は平等に扱うべきか?

●新規客が大事にされる逆転現象

02 優良企業は、すでに「えこひいき」を実践している

第2章 どの客をえこひいきするのか?

01 4つの客層で、えこひいきしろ!

02 無駄な値引きは、もうやめろ!

●値引きで客を2倍に増やしても売上は2倍にはならない

●値引きが原因で常連客が離れ出す

●値引きより心のつながりを重視せよ

第3章 『マン・ツー・カンパニー』の経営を行う

01 リッツ・カールトンが実証する、世界最高峰のえこひいき

02 「会社」が客を認識する、マン・ツー・カンパニーの経営

03 顧客データベースなくして、えこひいきは実現しない

●電話の受付から”えこひいき”ははじまっている

●「私はあの店にとって、特別な存在」と思っていただけるか。

第4章 驚異の『ランクアップシステム』を実行せよ!

01 JALマイレージサービス、真の驚異とは?

●サファイヤカードのサービス

●ランクダウンしたくない心理

02 客をえこひいきする仕組み「ランクアップシステム」とは?

●いかに口コミを生ませるか

●告知でなく、経験させる

第5章 客にかける「経費」をえこひいきしろ!

01 優良客は、経費をかけてえこひいきする

●会わないときこそ、えこひいきを感じさせる

02 インターネットが、えこひいきを変える

●インターネットで下位客層をフォロー

●店舗型でもメルマガは有効

●どっちの料理ショーに学ぶ

最終章 えこひいきマーケティングとは、
その他の客を切り捨てるものではない

 

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◆タイトル:お客様は「えこひいき」しなさい!

◆サブタイトル:「顧客差別」で3倍売れる!

◆著者:高田 靖久

◆出版社:中経出版

 

【目指せ100冊レビュー!】

今回で32冊目です。

 

【最新の書籍紹介はこちらで掲載しています】

岩橋マネジメントサービスHP

 

【過去の書籍紹介はこちらのブログに書いていました】

中小企業経営に役立つビジネス書・自己啓発書レビュー

 

【おわりに】

最後までお読みくださりありがとうございました。
今後とも引き続き、よろしくお願いいたします。

丹波経営研究会