TQ

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

        価値観に基づいた時間の使い方     

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【今回のテーマ】

価値観に基づいた時間管理

【今回の一冊】

◆タイトル:『TQ~心の安らぎを発見する時間管理の探求』

◆著者:ハイラム・W・スミス著 黄木信、ジェームス・スキナー 訳

◆出版社:キングベアー出版

◆ページ数:417

◆1997.2.5

【こんな方にオススメ】(5段階)

●目の前の急ぎのことばかりに追われている ☆☆☆☆☆

●自分の価値観に基づいた時間配分をしたい ☆☆☆☆

●手帳の活用方法を改善・改革したい ☆☆☆

【レビュー】

●単なる時間管理では「心の安らぎ」は得られない

本書では時間管理のみにとどまらず、いかにして「心の安らぎ」を得るかついてまで、テーマを広げていきたいと思う。

「心の安らぎ」とは、誰もが求める最高の満足感や幸福感である。

時間管理がどんなに効率的にできても、それだけでは「心の安らぎ」は得られない。

「心の安らぎ」を得る秘訣は、私たちの価値観において最も大切なものは何かをまず知ることから始まる。

そのうえで、その価値観を日々の行動に反映させていく。

人生で私たちが大切にしているものを達成できなければ、時間管理をどんなにうまくやっていたとしても意味がない。

単に時間を管理することと、人生をコントロールしたときに得られる心からの満足感を見つけていくことの違い。そこに本書の狙いがある。

今まで読んだタイムマネジメントの本の中で最高の内容でした。

本書は単なるタイムマネジメントの本ではありません。

冒頭ご紹介したように「心の安らぎ」を得ることが最終的な目標となっています。

そのためにはまず、自分の価値観を知ることからはじまります。

『7つの習慣』でいうミッションステートメントをつくるということです。

本書で特にすばらしいと感じたのは、その考えた価値観に優先順位をつけるということです。

自分や家族の価値観はこれまでも考えて言葉にしていたのですが、この優先順位をつけるということが、今までできていなかったことに気付かされました。

『7つの習慣』でいう時間管理のマトリックスで、重要であるが、緊急でないことをいかに実践するかということと、言いたいことは同じです。

また、本書で紹介される事例がとてもすばらしい内容です。

自分の価値観を見つめるI 型鋼の話、ボーイスカウトの話し、麻薬・アルコールをしている高校生の話など、非常に印象的で胸を打つエピソードが語られています。

自己啓発書 + 

といった内容です。本書に出会えてとても幸せに思いました。

(1)ベンジャミン・フランクリンの価値観『13徳』

ベンジャミン・フランクリンは22歳の時に

「道徳的完成に到達しよう」

という大胆で、しかも困難な計画を思いついた。そこで彼はこう自問した。

「私の人生で何が最も大切なのだろうか。」

ここで彼は13の価値観に考えを進め、意味を明確にするために説明文を付け加えた。

節制-暴飲暴食を慎む
沈黙-他人、もしくは自分にとって有益なこと以外は話さない
規律-物はすべて場所を決めて置く。仕事はすべて時を決めて行う
決断-なすべきことを決心する。決心したことは必ず実行する
節約-他人や自分にとって有益なものを求め、時間の浪費はしない
勤勉-時間を無駄にしない。常に有益な活動に取り組み、不必要な行動は取らない
誠実-人に害を及ぼすような嘘はつかない。不正を考えず、正義に徹し、真実を語る
正義-他人に害を及ぼすような行為をせず、義務を怠らない
中庸-生活のバランスを保ち、憤らず、他人に寛容である
清潔-身体や衣服、住居を不潔にしない
平静-つまらないこと、避けられない出来事があっても取り乱さない
純潔-自尊心や人の信頼を傷つけるような、ふしだらな行いは絶対にしない
謙遜-イエスおよびソクラテスに見習うべし

彼は自分の生活を13週のサイクルに分け、1週間ごとに13ある価値観1つずつに焦点を当てて、自分の行動がその価値観に合ったものとなるように努力したのである。

78歳のとき、彼は回顧録にこう書いている。

「全体的に言えば、かねてから願っていた完璧さには到達できず、それよりもはるか下のところに留まってしまったが、その努力を試みに移さないままの私と比較すれば、より善良で幸福な人物になることができた。」

ベンジャミン・フランクリンはまず自分の価値観を見出し、次にその価値観に基いて1日1日の生活を正していった。

第1のステップはまずあなた自身の価値観を明確にしていくことである。

「正直」「愛」「経済的な自立」「人格を高める」

人格の基盤になるもの、人生の中で達成しようとする大きな目標も価値観に数えられる。

次の質問の最も明確な答えが、あなたの価値観となる。

「私の人生で最も優先順位の高いものには、どういうものがあるだろうか」

「その中で私が最も価値を置くものはどれだろうか」

(2)価値観を日々の日課に落としこむ

価値観 → 長期目標 → 中間ステップ → 日課のリスト

この「生産性のピラミッド」は私たちにとって最も大切な価値観を見定めるところから日々の行動を達成するところまで4つの段階に分かれている。

すべては価値観から始まっている。

この価値観と合わない目標を達成しても、達成できる事柄は増えるかもしれないが、満足することは決してないだろう。

それは最も大切なことをないがしろにしているからである。

日課のリストが長期目標や中間ステップを反映したものでなければ、あなたは忙しくはなるが、生産的になれない。

タスク・リストの問題点は、緊急性だけに焦点を当てて作成されていることにある。

車も修理した、月賦の支払いもすませた。
歯医者への電話もした。二時までという上司に頼まれたレポートも提出した。

お客様との昼食にも出た。

仕事上の難しい問題もみんな処理した。

しかし、妻とじっくり会話を楽しむことも、子供とアイスクリームを食べに行くことも、良い本を読むこともできなかった。

なぜならば、こうしたことは初めからリストに挙がっていなかったからである。

なぜ挙がっていなかったのだろうか。

それは、計画の段階で価値観が本来の役割を果たしていないからだ。

(3)朝の10分が1日、人生を変える

「あなたは1日平均何分、計画のために時間を費やしただろうか。」

シャワーの時間やジョギングの時間は含まない。

私が言っているのは、きちんとした形で椅子に座り、その日の行動や自分の価値観およびその優先順位について考えることである。

この本を読んだあなたにぜひやってほしいことの筆頭は、毎朝10分から15分の時間を取って、その日の計画をしていただきたいということである。

このたった1つのことを実行すれば、あなた自身や周りの人々が驚くほどの結果が出るに違いない。

時間にも「てこ」の原理を使うことができる。

毎日の計画に費やす時間を10分~15分投資することにより、利益は大きく、利点は多岐にわたる。

取り組んでいる課題やその期限が明確になる、大切な事柄に焦点が絞られる、次のプロジェクトへの移行時間が短くてすむ、一日の終わりに味わう達成感が大きい、などなど。

「計画のために時間を使えば使うほど、全体にかかる時間は少なくてすむ。今日の忙しさに圧倒され、計画の時間をスケジュールから外してはならない。」

「計画だって、そんな時間はないよ。」

果たしてその言い訳は正当なものだろうか。

そういう人々の言っていることの本当の意味は、

計画よりも、テレビを見ることや新聞を読むこと、15分余計に寝ることのほうが大切なのだということである。

計画に高い価値観を置いていないのである。

●1日の結果を評価する時間をつくる

1日の終わり、または翌日の朝に、

「結果を評価する時間」

を取っていただきたい。

「私の行動は価値観と一致しているだろうか」

「今日、私は自分にとって本当に大切なことをしただろうか」

このような自己評価を行って、毎日を新たな気持ちで迎えてほしい。

あとは意義と価値ある目標を創り、日々の行動を通して実践していくだけである。

これを実行すれば、そのときあなたは、生活だけでなく、あなたの未来さえも完璧にコントロールし、誰からも奪われることのない「心の安らぎ」と呼ばれる偉大な賜物を得られるに違いない。

本書では具体的なツールとして、『フランクリン・プランナー』を紹介しています。今回、思い切ってこちらに手帳のリフィルを変えてみました。まだ不完全ですが、下記のような1日のサイクルを完成すべく取り組んでいます。

 

画像

↑フランクリン・プランナーの1日見開き2ページの手帳↑

岩橋の手帳管理術

<前提>

1.前提として、価値観と優先順位を明確にする
2.長期目標、中間ステップをつくる(途中)

<1日の計画>

1.毎朝、価値観と優先順位、長期目標、中間ステップを確認し、緊急ではないが重要なことを含め、その日のto doリストをつくる
2.to doリストにA(超重要:その日にしなければならない)B(重要その日にすべきである)C(延期可能:できればいい)と分類する。
3.Aの中でも優先順位をつけ、A1、A2、A3と実施する順番を決める。

<1日の実行>

1.to doリストについて、「完了」「先送り」「削除」「他の人に委任」「進行中」といったステータスをつけながら実行する。

<1日の評価>

1.「私の行動は価値観と一致しているだろうか」
  「今日、私は自分にとって本当に大切なことをしただろうか」
  と振り返り、手帳の右側に記入する。

フランクリン・プランナーは1日見開き2ページのものを採用してみました。その手帳活用方法も本書で非常に具体的に紹介されており、思わず「使ってみたい」と思わされました。

「忙しいが、心の充足が得られない。」

という方に、本書はうってつけではないかと思われます。なお、今はもう新書では売られていないようですが、こちらの文庫本が同じ内容なのかもしれません。

TQ-心の安らぎを得る究極のタイムマネジメント

2016.02.25追記

リアリティーモデル

(1)心理的欲求

(2)思いの窓

(3)ルール:もし~ならば~

(4)行動パターン

(5)結果

行動へと駆り立てる四つの心理的欲求

(1)「生きる」欲求~生命にかかわること

・生命への本能は非常に強い

・生命が危険にさらされると普通では考えられないようなことをする

(2)「愛し愛される」欲求~愛情にかかわること

・親のない子は、毎日ベッドから抱き上げられないと元気がなくなり、死に至ることさえある

・生きる欲求よりももっとも強い欲求なのかもしれない

・孤独ほど絶望的な境遇はない。見捨てられたと感じる状態

・愛がなければ人生は退屈であり、耐えがたいものになる

・愛があれば見ることなすことすべてに意義を見いだす

・愛は人を啓発し、世界最強の力にもなる

・愛は物事に目的をもたらす

(3)「人に良く思われる」欲求~自尊心にかかわること

・「ねぇ、パパ、ママ、見て」

・人に注意を払ってもらいたい

・私は大切だと思われたい

・認めてもらいたい

(4)「変化を味わう」欲求~変化またはバラエティーに関わること

・変化がなければ、私たちの生活は耐えがたいものになる

・人は変化がなければ成長しない

・来る日も来る日も同じ経験を繰り返し、同じ感覚の生活が続いたら、私たちは人間としての存在を失ってしまうだろう

 

4つの心理的欲求が完全に満たされることはめったにない。

一つの欲求が満たされていないとき、

私たちは全精力を傾けて、満たされていない欲求を充足させ、車輪が回転するよう努力する。

「思いの窓」を改めるための5つのステップ

1.悪い結果をもたらす「行動パターン」を特定する

2.その行動を生み出している「想い」を明確にする

3.その「想い」によって生まれる「将来の行動」を予測する

4.もっと良い結果を生み出す「新しい想い」を打ち出す

5.その「新しい想い」によって生まれる「将来の望ましい行動」を予測する

「”私は”というメッセージ」

1.相手に「『私は』困っていることがあるんだけど」と言って話しかける

2.相手に威圧感を与えることなく、自分の立場からその困っている内容を説明する

3.そのことにより自分がどういう気持にさせられているかを話す

4.現実の状況を理解させて変化を促す

「私がどう感じているかが分かったうえで同じ行動を繰り返した場合、私たちの関係は良くなるだろうか、それても悪くなるだろうか」

「あなたにとって、私とあなたの関係は良くなってほしいだろうか、それとも悪くなってほしいだろうか」

「”私は”というメッセージ」 ハイラムとその娘ステイシー(中学3年生)の例

ステイシー:「パパ、実は私、困っていることがあるんだけど」

ハイラム:「分かった、ステイシー、話をしよう」

ステイシー:「ありがとう、パパ」

ステイシー:「パパ、私、困っていることがあるの」

ステイシー:「私、学校のブラスバンドに入っているでしょう。今、学校で演奏会を頻繁にやっているの。でもパパな出張が多いから全然演奏に来てくれないわよね。」

ステイシー:「パパ、分かってほしいんだけど、演奏会に来てくれないといやなの。ほかの子たちが寄ってたかって、『ステイシーの家族はいつも誰も来ないね』ってバカにするんだもん」

ステイシー:「パパ、私の演奏会に来ないという行動をこのまま続けてたら、私たちの関係は良くなると思う?それとも悪くなると思う?」

ハイラム:「悪くなるよね・・・。」

ステイシー:「もう1つだけね、パパ。私たちの関係、良くなってほしいと思う?それとも悪くなってほしいと思う?」

そう言うと、彼女は立ってオフィスを出ていった。

二日後、彼女の学校で演奏会があった。

私はセミナーをキャンセルし、一番前の席に座って演奏を聴いた。

私が知らず知らずのうちに忘れていた私の価値観を、彼女が思い起こさせてくれたからだ。

以来、その価値観が私の生活に大きなインパクトを与えることになった。

 

【目次】

序章 なぜこの本を読まなければならないのか

第1部 あなたは「時間」をコントロールできる

第一章 「時間」を奪還する

第1の法則 「時間」をコントロールすることにより「人生」をコントロールする

第二章 「価値観」を発見する

第2の法則 価値観が自己実現の土台である

第三章 「心の安らぎ」を体験する

第3の法則 日々の行動が価値観を反映しているとき、「心の安らぎ」を経験する

第四章 「安心領域」から脱出する

第4の法則 有意義な目標は「安心領域(快楽と怠惰の習慣)」を出ることによって達成させる

第五章 「計画的行動」を実行する

第5の法則 毎日の計画は集中力を高め、時間の有効活用を可能にする

第2部 あなたは「行動」をコントロールできる

第六章 「行動と気持ち」を合致させる

第6の法則 行動とは自分の本当の想いを反映したものである

第七章 「現実とニーズ」を検証する

第7の法則 想いが現実に即しているとき、自分のニーズが満たされる

第八章 「誤り」を修正する

第8の法則 間違った想いを改めることにより、否定的な行動は乗り越えられる

第3部 あなたは「人生」をコントロールできる

第九章 「自尊心」を確認する

第9の法則 本当の自尊心とは自分の中から生まれてくるものである

第十章 「奉仕の精神」を抱く

第10の法則 多くを与えれば多くを得られる

終章 究極の「心の安らぎ」に向かうために

ハイラム・スミスの「成功を約束する10の法則」

【今回の一冊】

◆タイトル:『TQ~心の安らぎを発見する時間管理の探求』

◆著者:ハイラム・W・スミス著 黄木信、ジェームス・スキナー 訳

◆出版社:キングベアー出版

◆ページ数:417

アマゾンでレビューを見る

【おすすめ度】(5段階) 

●総合 ☆☆☆☆☆

●読みやすさ ☆☆☆

【関連記事】

【タイムマネジメント】5つの時間泥棒とその対応の方向性

 

【関連書籍のレビュー】

普遍の真理”人格主義”『7つの習慣』

→価値観を明確にし、物事の優先順位を
 つける点は共通しています。

 また、『7つの習慣』もフランクリン・プランナー
 の活用を推奨しています。

●個性主義と人格主義

(1)時間管理のマトリックス

(2)信頼残高という名の財産

(3)人間関係の6つのパラダイム

●刃を研ぐ時間をとる第7の習慣

 

実践的時間管理術
『なぜ気がつくと知らないうちに1日が終わってしまうのか』

→時間管理の書籍です。

●人生のタイムマネジメント

(1)その業務に適した時間帯に実行する

(2)会議や来客を効率的に過ごす

(3)休日にこそ

●人生に限りがあることを常に意識する

【関連リンク】

フランクリン・プランナー

→本書、『7つの習慣』で推奨している手帳です。

【編集後記】

まだまだ未完成ですが、これからさらに
人生の時間を有効活用できるように
なりたいと思います。

【目指せ200冊レビュー!】

今回で189冊目です。

 

【おわりに】

最後までお読みくださりありがとうございました。
今後とも引き続き、当ブログをよろしくお願い
いたします。