【こんな方にオススメ】(5段階)
●パート・アルバイトさんがすぐやめてしまう会社 ☆☆☆☆☆
●パート・アルバイトさんにもっと活き活き働いてもらいたい ☆☆☆☆☆

【今回のテーマ】
パート・アルバイト活用法

 

【今回の一冊】
◆タイトル:『ホテル経営者がこっそり教えるパート・アルバイト活用法』
◆著者:レジャーホテルコンサルタント 松本 明樹
◆出版社:アチーブメント出版
◆ページ数:159
◆2009.1.31 第1版 第1刷発行

 

【レビュー】

●競合点ができた時に一番危惧すべきこと

 

いまだ「使い捨て」のような感覚でパート・アルバイトさんを雇っている経営者は少なくない。
パート・アルバイトさんは初めから定着しないものと考えていないか。
競合店ができた時に、いちばん危惧することはお客さんをとられることではない。
実は、スタッフをとられること。
経営者が求人に神経をとがらす必要がなくなれば、新商品開発など、新たな利益を生み出す活動に集中でき、求人のコスト削減もできる。
安定していいスタッフがいることがまずは大切。
いいスタッフが集まれば、その紹介でいい人を採用することができる。

本書は、レジャーホテルを経営し、他社のコンサルティングも行う筆者が、パート・アルバイトさんの定着率を上げ、自主的に働いていただくようにする方法を実例を交えながら解説しています。
「考え方が変われば人は変わり、人が変われば会社は変わる」
冒頭ご紹介したような、まずは経営者が考え方を変えることがキーになるように感じました。

(1)パート・アルバイトさんが退職しようと思う理由

 

今、多くの分野で人材が不足し、パート・アルバイトさんの選択肢が非常に増えつつある

<どんな時に辞めようと思うのか?ベスト5>
1.職場の人間関係がよくないとき
2.仕事内容に比べ賃金が割に合わないとき
3.がんばっても何の評価もされないとき
4.納得のいかない理由で上司に叱責されたとき
5.何年働いても賃金が上がらないとき

○パート・アルバイトさんは職場を離れると「大事なお客様」
○パート・アルバイトさんへの対応=「大事な顧客」への対応
×パート・アルバイトさんは単純作業をこなすだけの労働力
○パートさんたちに技術を教え、プロフェッショナルとして業務にあたってもらう
※お客様からお金をいただいている以上はプロフェッショナル

(2)人間関係づくりで覚えておきたい「7つの習慣」

 

<7つの致命的な習慣>
「批判する」
「責める」
「文句を言う」
「ガミガミ言う」
「脅す」
「罰する」
「褒美で釣る」

<7つの身につけたい習慣>
「傾聴する」
「支援する」
「励ます」
「尊敬する」
「信頼する」
「受容する」
「意見については常に交渉する」

何を求めているのか、なぜここで働くのか、スタッフそれぞれの目的・願望を知り、抱えている問題や悩みを解決するためのサポートをする。

 

(3)採用する上で大切な「For you」

 

<採用>
「For me」ではなく「For you」で考えられる人
「For me」は他人より自分優先
「For you」は他人を思いやって行動できる人

単純作業をすれば良いと考えてくる応募者も少なくない。
けっして仕事は楽ではないことを話す。
具体的な仕事内容はもちろん、休憩室などが充分整ってなければ正直に話す。
仕事への誇りや、お客様を喜ばせることといった大切にしていることも話し、共感してもらえる人を採用。
採用したいと思った人材については、
「この人はどうやったらここで働いてもらえるかな」
と考える。その思いが伝わると、パートさんのモチベーションも上がる。

<新人教育>
初日は、スタッフ紹介と館内の案内。
サービスの流れの説明。簡単な作業のみで3時間。
2日目は5時間、3日目は6時間で、4日目は休んでもらう。
無理をさせないようはじめの3日間は特別プログラム。

新人教育は一定のレベルに達した先輩パート・アルバイトさん。

 

●公明正大な評価制度のポイント

 

<スタッフが満足感を得るポイント>
1.誉められる
2.認められる
3.仕事に見合った評価を受ける

ノルマを与えるのではなく、自己評価チェックシートを活用し、自らが設定した目標を達しているかを判断

上から与えたのでは「自分の目標」ではないもちろん評価が上がると給料も上がる。

30分~1時間個人面談で目標設定をサポート。

この他にも、

・全員がリーダーになる運営
・「お客さまのためになるかどうか」の一貫した判断基準
・日頃からパート・アルバイトさんを承認すること
・誉めるところを探すこと
・企業理念の共有
・パートさんの潜在能力を引き出す

など、興味深い内容がたくさん入っております。
自己評価や、詳細なマニュアル、仕事のチェックシートの具体例も本書に掲載されています。
大手チェーンが人材不足で店舗の営業が難しくなるような事態となっている今、パート・アルバイトさんが高いモチベーションで働き続けていける職場づくりを実現することは、非常に大切なことに思えます。
飲食店やサービス業では、現場のお客様と直に接するパート・アルバイトさんの善し悪しが業績に直結します。
本書をきっかけに人財マネジメントで、他社に差をつけられてはいかがでしょうか?

【目次】
はじめに
第1章 3ヶ月後には誰もいない!?
第2章 パートさんについて理解を深める
第3章 パートさんに心理学で近づく
第4章 パートさんをプロ化する!パートさん戦力化計画
第5章 パートさんともっとコミュニケーション!
第6章 パートさんの力で売上アップ!
おわりに

【今回の一冊】
◆タイトル:『ホテル経営者がこっそり教えるパート・アルバイト活用法』
◆著者:レジャーホテルコンサルタント 松本 明樹
◆出版社:アチーブメント出版
◆ページ数:159
◆2009.1.31 第1版 第1刷発行

【おすすめ度】(5段階)
●総合 ☆☆☆☆☆
●読みやすさ ☆☆☆☆

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(2)お客さんとのコミュニケーションを重視する
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●従業員がイキイキしていない理由

『世界一働きたい会社を創ろう!』
●日本の経営者と社員の悩み
(1)心からの「ありがとう」が社員を幸せにする
(2)マルチプロセッサ社員
(3)個人と会社のおいしい関係
●大変わかりやすい構成と豊富な具体例

【編集後記】
小さな会社の経営相談をさせていただいていると、やはり”人”の話になることも多いです。
この分野ももっともっと現場で学び、座額で学ばないといけません。
【目指せ200冊レビュー!】
今回で155冊目です。

 

丹波経営研究会