あなたはどんな会社にしたいですか?

読者のみなさまへ
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【今回のテーマ】
中小企業経営

 

【今回の一冊】
◆タイトル:日本でいちばん大切にしたい会社2
◆著者:坂本 光司
◆出版社:あさ出版

 

【こんな方にオススメ】(5段階)
●就職希望者が殺到する秘訣を知りたい ☆☆☆☆☆
●従業員を大切にする経営を学びたい ☆☆☆☆
●企業の感動エピソードにふれたい ☆☆☆☆
●経営の進むべき方向に悩んでいる ☆☆☆☆

 

【レビュー】

●待望の第2弾

当ブログでもご紹介した『日本でいちばん大切にしたい会社』の第2弾です。前著は鳩山首相が読まれ、昨年の所信表明演説でずいぶん長い時間を割いて「日本理化学工業」のことを取り上げられました。この演説の一週間前に実際に「日本理化学工業」に訪問されたそうです。
前著とコンセプトは同じです。

1.社員とその家族
2.社外社員(下請け・協力会社の社員)とその家族
3.現在顧客と未来顧客
4.地域住民、とりわけ障害者や高齢者
5.株主・出資者・関係機関

この5人に対して、使命と責任を果たすことを本当の企業経営とされています。

使命と責任とは「幸福の追求」「幸福の実現」とのことです。

そして、この1~5の順序がその優先順位であり、とりわけ「社員とその家族」の幸福追求・実現が最も幸福を追求すべきと説かれています。

本書のコンセプトを実践されている企業8社を訪問調査した6300社から改めて抽出して紹介されているのが本書です。

今回も大変個性的で、持続的に増収増益も実現されている企業です。

本書で紹介されている企業のユニークな部分をご紹介します。

(1)社員を管理するルールがほとんどなく、採用は先着順

(株)樹研工業には社員を管理するルール、規則がほとんどない。

出勤簿もタイムレコーダーも出張報告書もない。社内会議のための面倒な資料づくりや手続きも存在しない。これは世界の一流の会社に
共通している点です。

「それでは困りませんか?」

「つまらない、後ろ向きな仕事はできるだけ省き、次の仕事に取りかかる。これが生産性を上げる基本です。社員はみんな仕事をしに出社してくるのです。病気で休んだとしても、常に頭のなかは自分の仕事でいっぱいでしょう。

そんな社員にとって、出社したという証明である出勤簿やタイムレコーダーに、どれだけの価値があるのですか?」

そして、採用は先着順とのことです。創業当時、小さな会社なのでなかなか従業員が集まらなかった時に、わざわざ入社したいと来てくれたありがたさを、いまだに忘れることができないからといいます。

中卒だろうが、中途採用であろうが、日本人であろうが、外国人であろうが、男だろうが、女だろうが、いっさい問題にせず、早い者順に採用しているのです。

入社式でのアドバイスも型破りです。

「もし会社に遅れそうになっても、あわてて来るな。遅れたら、こっそり裏から入ってくればいい。時間なんか追うことはない。無理して急いで危ない目にあうことはない。わが社にとっては、きみらの命のほうが大切なんだから。」

そんな会社なので、辞める人がほとんどいません。

「私が辞めたら子どもを入れてくれ」という社員もいるくらいです。

転職する社員に対しても、

「もし、『樹研工業がいい』と、帰りたくなったら遠慮なく帰ってこい。転職先で成功したんだったら、その時も連絡をくれよ。」

と温かく送り出すのです。出戻りOKで、武者修行(?)の後、実際に戻ってきた社員もいるそうです。

(2)残業をすると罰金をとられる日本でいちばん休みの多い会社

未来工業(株)はここ数年、年間休日は140日~143日です。

にもかかわらず、この20年間売上高経常利益率が5%以上を持続している高収益企業です。休みは多くて業績も良い。

夢のような話の会社です。

「休みが多いということは、一日の労働時間が長くなるのでは?」

多くの方が、こう思われるでしょうが、8:30始業、16:45終業で昼休みは1時間あります。

残業もほとんどありません。「残業禁止」の会社だからです。

それでも、残業する人がいたため、最近は「残業は罰金」という考え方で運営しているそうです。それでさすがに残業する人はいなくなりました。

そこまで徹底的に社員の健康を重んじている会社なのです。

「始業時間がもう少し遅いと、朝の家事がラクになります。」

という女性従業員からの要望で、始業8:00を8:30に変え、全然売上が落ちなかったので「生産性が落ちなければいいですよ」ということで定着しました。

「私たちの頼みが聞いてもらえる」

ということで、全社員が張り切ったため、生産性はむしろ上がったといいます。

「終業時間がもう少し早くなると道路も混雑しないし、買い物も夕食の支度も楽になります。」

という要望で就業時間は16:45になりました。

 

(3)日本でいちばん長くて楽しい朝礼

一般的に朝礼というと、前日の業務報告や今日の予定の確認、あるいは事務連絡が中心で、その時間も10~15分前後でしょう。

しかもその多くは上意下達的なため、大半のスタッフが「どうせいつも同じだ」と、話の半分も聞いていないようなありさまです

(株)沖縄教育出版の朝礼は、それらとはまったく違います。

毎日している朝礼は平均して1時間前後、これまでの最長は3時間だそうですが、「長すぎるから切り上げましょう」という社員は誰もいません。

朝礼はファシリテーターと呼ばれる二人の司会者が進行します。

ある日のプログラムは、

1.お喜びの声の紹介
2.感謝したい社員の紹介
3.わっしょい体操、ハッピー体操
4.私の小学校時代のいちばんの思い出
5.最近うれしかったこと
6.私のお得意様自慢
7.新入社員コーナー

などで、全社員のコミュニケーションがみごとにはかられていました。

この朝礼は、社員のモチベーションを高めるだけではなく、社員の居場所をつくっているのです。

「あの人はこんな性格だったのか」
「私と同じような子供のころの思い出があるんだ」
「こういうことに感動できる人なんだ」

という情報・感情・目的を共有する場でもあるのです。

こうした一風変わった朝礼を聞きつけ、私のように朝礼を見学に来る人々が、役所や銀行、一般企業や学校の教師など、月に300人以上訪れるそうです。

●従業員満足が顧客感動につながり、持続的な発展を実現

これらの企業で共通して見られる点は、

・継続的な増収増益を重ねている
・採用に多数の応募があり、離職率が低い
・社員、お客様に感動的な体験がある

といった点が挙げられます。他に、社会貢献活動にも非常に積極的な企業も多くあります。

会社の今後の進むべき道、あるべき姿を考える上でのヒントをこの『日本でいちばん大切にしたい会社』はたくさん教えてくれます。

『日本でいちばん大切にしたい会社』を読まれていない方はまずこちらから、もっと素晴らしい会社に触れたい方はこの『日本でいちばん大切にしたい会社2』をぜひ読んでいただきたいと思います。

 

【目次と注目ポイント】

はじめに

プロローグ

1 株式会社富士メガネ

「困っている人を助けたい」 世界の難民や
中国残留孤児に「視力」を贈る感動のメガネ店

●松下幸之助と司馬遼太郎が愛したメガネ店
●「儲けるよりも、お客様をお待たせしないように」
●「見える喜びを人々に」という社員の使命感

2 医療法人鉄蕉会亀田総合病院

「もう一度入院したい」と患者が言う病院の
モットーは「Always say YES!」

●天国にいちばん近い霊安室
●多くの医師が集まってくる病院
●ホテルのような病院を!”Kタワー構想”
●人間に必要な四つの健康
●「病院スタッフの命と生活を守る」

3 株式会社埼玉種畜牧場「サイボクハム」

「日本人の食糧不足をなんとかしよう」
使命感に燃えて牧場を経営、
「農業のディズニーランド」を実現する

●食料品店は地域の生活者が育ててくれる
●トイレはその地域の文化、事業施設のシンボル

4 株式会社 アールエフ

「小さな命をもっと救いたい」世界が驚くカプセル
内視鏡を開発。「人間の幸せ」を追い求める中小企業

●夫婦でワンルームマンションからの開業
●人命を救う機器だから特許はとらない
●優秀な女性がたくさん集まる会社

5 株式会社樹研工業

社員は先着順で採用。
給料は「年功序列」の不思議な会社

●入院した社員に3年半給料を払い続けた会社
●六坪の木造平屋工場で六人での出発
●世界一小さな歯車の開発に成功
●画期的な技術を開発して市場をつくっていく会社
●学校では問題児だった社員たちの絆
●最高齢の社員が最高給の「年齢」序列
●「社員が路頭に迷うときは私も路頭に迷います」

6 未来工業株式会社

「日本でいちばん休みの多い会社」だから、不況知らずの会社になれる

●人から言われてするのがイヤで自社製品を開発
●提案すると500円
●タイムレコーダーもユニフォームもなし
●列ができてもコピー機を一台した置かない理由
●本社機能が大きい会社は儲からない
●70歳までしっかり働ける会社

7 ネッツトヨタ南国株式会社

全盲の方と行く四国巡礼の旅で、人の本当のやさしさを学んでもらう

●ホテルのラウンジのようなショールーム
●売らんがための店づくりからの脱却
●四八時間試乗と完ぺきな顧客管理
●社員が満足して働ければお客の満足度も高くなる
●全従業員を人生の勝利者に!
●人財採用に徹底してこだわる

 

8 株式会社沖縄教育出版

本当に世の中に役立つ事業をしたい。一人ひとりの命が輝く会社になりたい

●「I am OK! You are Ok! We are OK!」
●まるで大学?委員会&サークル活動
●障害者を受給者から納税者に
●営業をしないコンタクトセンター
●ひと月に約150通届く、顧客からの感謝の手紙
●これからもめざす「人間尊重の経営」

エピローグ みなさんに伝えたい読者の方々からの手紙
おわりに

 

【今回の一冊】
◆タイトル:日本でいちばん大切にしたい会社2
◆著者:坂本 光司
◆出版社:あさ出版
◆文量:254P
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【おすすめ度】(5段階)

●総合 ☆☆☆☆☆
●読みやすさ ☆☆☆☆☆

 

【編集後記】
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

私も支援した企業が日本でいちばん大切にしたい会社の紹介されるように今後とも中小企業経営を支援していきたいと思います。

【目指せ100冊レビュー!】
今回で54冊目です。

 

オーディオブックで聞いて学習する。

丹波経営研究会